美魔女ライター 藤井まゆみ『美に効く映画【サプリ】』

今夏の異常気象、地球がとんでもないことになっているのではないか、と心配になる毎日だ。環境を守りつつも健康を維持する快適温度を作り、どのようにこの猛暑を乗り越えるか?私達が直面しなければいけない昨今の重要トピックである。しかし、それについては一旦横に置いていただこう。人が人を傷つけるような“物理的に迫りくる危機”は、他国に比べて足下に及ばない”平和”の象徴国『日本』であることは言うまでもない。今回は“世の中の現状”を知っていただくために、アメリカのあるエリアで起きている“犯罪”をテーマにしたこの夏のイチオシ映画を1本ご紹介したい。今回の私のオリジナル[美のサプリ] は『知識を付けること』。美しさの追求には、新しい事を知って“内面を育てること”が重要であると考えている。私なりのコンセプトでお届けしたい。endof

“内面磨きの教科書”に相応しい今回の作品。アメリカ・ロスアンゼルスで起きている犯罪の実態をリアルに描いた衝撃作『エンド・オブ・ウォッチ』だ。白人巡査テイラーとメキシコ系巡査サヴァラは、LAで “最も重犯罪が多発する地域”サウスセントラルのニュートン地区をパトカーで巡回する名コンビ。他の地域と違うのは、腰に備えた拳銃を抜く頻度の高い“死と隣り合わせ”であるエリアを担当しているということ。同僚であり仲の良い2人は結婚や進学、生まれたばかりの子供への思いなど、将来の希望を見据え語らい笑い、危機から身を守るためお互いを助け合う。いつ殺されてもおかしくない主人公2人の日課は、“エンド・オブ・ウォッチ(勤務時間終了)”と1日の終わりに記録することである。しかし、もう1つの“エンド・オブ・ウォッチ” が意味するのは、二度と家に帰る事ができない“殉職” という『一生の終わり』を表す。パトロール中に犯罪者を追うことが自らに死を招くことを覚悟している2人。遂にメキシコの麻薬カルテル(組織)にマークされることとなり、2人への暗殺計画が浮上するのだ。

東京よりも人口が少ないロスアンゼルスの町は、比較して警察官の数が少ない。人口が少ないのに犯罪数は多く、取り締まる警察官の数は少ないというのが実態だ。5分に1回事件が起きると言われるロスの町で、この確立を上げているのが低所得者が住む本作の舞台サウスセントラルである。主人公2人はパトカーの無線連絡で現場に急行する。”ストリートでの揉め事”、”薬中の母親の子供がいなくなった” などの通報は日常茶飯事に過ぎず、火災が発生すれば人命救出のために火の中に飛び込み、2人は”生死の境い目”に遭遇し精神的にも追いこまれる。そんな日々を送る2人の”現実逃避”はお互いの将来の計画や”くだらない”本音トークであり、緊迫感から逃れるためのバランス維持をはかっている。平和に暮らす私達にとって非現実的なことが彼らにとっては日常の出来事。劇中主人公自らが撮るカメラの記録がストーリー展開の視点となって、現場の一部始終を”現実のリアル”として映し出す結果、治安情勢の悪さを強烈に痛感させられるのだ。

全く関わることもなく知る機会もないLAサウスセントラル。敵と戦う警察官にとって最も“サバイバル”に近い日々を送らなければいけないエリアだ。映画『エンド・オブ・ウォッチ』は、頻発する犯罪と戦う警察官2人の“勇敢さ”と“友情の絆”がありのままに描かれており、“世の中のリアリティ”が追求されている。事実、東京よりも少ない警官数の中で極悪世界に立ち向かう警察官がどれだけ賞賛に値するかを目の当たりにしてしまう作品だ。またリアリティだけではなく、ユニークでスリリングな映像描写を確立させており、観客をスクリーンに引き込もうとするスタイリッシュな撮影テクを使っているのも見どころである。”ハッピーな気分になる”とは言い難い作品かもしれない。だが、本作は全米の著名映画批評家たちも大興奮し、2012年のトップ4に選出された“お墨付き”作品である。大作映画続きの夏の終わりにこちらの“学べる映画” 。猛暑で流れる汗の不快感を払拭するべく、劇場へ足を運んでいただきたい。夏一番のオススメ作品はこれに決定!

ライター 藤井まゆみ (モデル・オスカープロモーション所属)fujii_mayumi

第1回国民的美魔女コンテスト・美肌美魔女賞・受賞。
『美ST』のTEAM美魔女として多方面で活躍する一方、LAの留学を経験するほどの大の映画好きと知識の豊富さを活かし、映画ライターとしても活動。
“映画を見て美しくなろう”をコンセプトに、美に効く映画を処方します。
ブログ http://bimajo.jp/blog/fujii/index.html
藤井まゆみのビューティシネマ ジャーナル http://ameblo.jp/mayumi-fujii/

『エンド・オブ・ウォッチ』
キャスト:ジェイク・ジレンホール マイケル・ペーニャ アナ・ケンドリク ナタリー・マルティネス 監督:デヴィド・エイヤー
2013年8月17日より公開
(C) 2012 SOLE PRODUCTIONS, LLC AND HEDGE FUND FILM PARTNERS, LLC ALL RIGHTS RESERVED

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