菅田将暉、お気に入りシーンは極限になった時の情けなさ『Cloud クラウド』公開記念舞台挨拶
映画『Cloud クラウド』公開記念舞台挨拶が行われ、主演の菅田将暉をはじめ、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝、黒沢清監督が登壇した。(2024年9月28日TOHOシネマズ 六本木ヒルズ)
『岸辺の旅』(2015)でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門監督賞、『スパイの妻』(2020)でヴェネチア国際映画祭銀獅子賞を受賞、2024年6月にはフランスの芸術文化勲章・オフィシエを受賞するなど国際的に高く評価される名匠・黒沢清監督。そんな黒沢監督が2018年から温め続けていたスタイリッシュかつ凶暴なオリジナル映画が完成した。今作は今年開催の第81回ヴェネチア国際映画祭に選出され、アウト・オブ・コンペティション部門での公式上映が決まっている。主人公・吉井を演じるのは日本映画界を牽引する俳優・菅田将暉。ミュージシャンとしても圧倒的な支持を集める稀代の才能が、黒沢清監督との初タッグでさらなる領域に到達した。
吉井良介(菅田将暉)は、町工場に勤めながら”ラーテル”というハンドルネームを使い転売で日銭を稼いでいた。転売の仕事を教わった先輩・村岡(窪田正孝)からのデカい儲け話にも耳を傾けず、真面目にコツコツと悪事を働いていく。吉井にとって増えていく預金残高だけが信じられる存在だった。しかし転売業が軌道に乗ってきた矢先、吉井の周りで不審な出来事が重なり始める。徘徊する怪しげな車、割られた窓ガラス、付きまとう影、インターネット上の悪意。負のスパイラルによって増長された憎悪はやがて実体を獲得し、狂気を宿した不特定多数の集団へと変貌。その標的となった吉井の日常は急速に破壊されていく…
MC 菅田さんはお気に入りのシーンはありますか?
菅田 そうですね…個人的には悪の軍団の皆さんが揉めるんですよ、途中。僕が拘束されている目の前でどうでもいい事で。『顔を隠したい』だとか『お前の顔なんて誰も覚えてない』とかすごい怒ってるし。現場はめっちゃ怖いんですよ、怖いんだけど台詞も面白いし。人間の極限になった時の情けなさみたいな、小ささみたいなのがすごい面白かったですね。
MC 岡山さんは覆面を被っている時はどういう風に映ってたんですか?
菅田 見える?
岡山 ギリって感じですね。
窪田 あれ自分で作ったの?
岡山 いや、そんな…あれは役!俺だけ本当の話なんですか(笑)
MC 今回の撮影現場、もしくは『Cloud クラウド』に関係するイベントやインタビューで怯えたエピソードがある方、『これ怖かった』というようなエピソードがある方教えてください!
菅田 それぞれ怖かったけどなあ… あ、大兼君の私服には怯えましたけどね。
奥平 え!本当っすか?
菅田 怯えたよ。この世の二十代で一番個性あるんじゃない?
奥平 え!荷が重いんすけど…。
菅田 洋服大好きだから自分でも作るんだよね?ある日緑系で統一している日、すごかった!恰好良かったし好きなんだろうなって。
奥平 緑が着たかったんで。具体的に覚えてないです!
荒川 きつい仕事だから目に優しいなって思ったよ。
過酷な現場だったにも関わらず、出演者たちのチームワークは抜群だったよう。たくさんの爆笑エピソードに会場は大いに盛り上がり、映画『Cloud クラウド』公開記念舞台挨拶は幕を閉じた。
取材 福井原さとみ
『Cloud クラウド』
TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中
©2024「Cloud」制作委員会
配給:東京テアトル 日活