のん、好きな登場キャラは“箱推し”!『さかなのこ』公開記念舞台挨拶
誰もが知るあの“さかなクン“の半生を描いた『さかなのこ』の公開記念舞台挨拶が行われ、のん、井川遥、磯村勇斗、岡山天音、さかなクン、沖田修一監督が登壇した。(2022年9月3日 TOHOシネマズ六本木ヒルズ)
原作であるさかなクン初の自叙伝「さかなクンの一魚一会 〜まいにち夢中な人生!〜」をもとにフィクションも織り交ぜられた本作。子供の頃からお魚が大好きだったさかなクンが、たくさんの出会いの中でやがて“さかなクン”になるまでがユーモアたっぷりに描かれており、驚きの人生ととともにキラキラした宝物のような感動作に仕上がった。
さかなクンの分身であるミー坊を演じた主演ののんは「今日はお魚を意識して衣装を着てきました!今日はよろしくお願いします」と元気に挨拶。どんな時もミー坊を暖かく見守り続ける母・ミチコ役の井川は「のんちゃんの(演じた)ミー坊が素晴らしくてキラキラしていて。監督の人柄と綺麗な心がそのまま映画に詰まったような作品だと思います」と話した。
また、ツッパリ頭の総長を演じる磯村は「無事公開を迎えまして、沢山の方に集まっていただけて嬉しいです。今日は海のコケを意識してみました!」と笑いを誘い、原作者かつミー坊のモデルであり、近所の不思議なおじさん“ギョギョおじさん”として映画初出演をしたさかなクンは「いよいよ上映されて嬉しい!めちゃくちゃ感激しております!最初に映画のお話を沖田監督さんからいただいたのが、ギョねん(5年)前で。ギョ年の歳月がこんなに早いとは。本当に嬉しく思っております!」と喜びをあらわにした。
クセが強めなキャラ“カミソリ籾”こと籾山を演じる岡山は、キャラの作り方を聞かれると「衣装合わせに行ったらアレが用意されていたので。ビジュアルからインパクトがあるので、そのままやっても面白いとは思うけど、アレを着るとそのままやるわけにはいかないような気になってクセのある感じになりました」と役作りを語り、我が子を肯定し続けて育てる母を演じている井川は「私もこういう母になりたいと思いながら演じていました。子育てって自分の経験値で予防線を張ってしまいがちで。見守る時間ってできないところで」とミチコへの敬意を表した。
のんにしか演じられないと言っても過言ではないミー坊について「さかなクンって老若男女のヒーローだし、ミー坊もめちゃくちゃヒーローでかっこいいなと思いました。好きを追い求めて、好きを理由に動く原動力にシンパシーを感じて。私は一方的に同志のような気持ちです」と自身に通じる役であったことを明かした。
悪者がひとりも出てこないことで『南極料理人』『横道世之介』に共通する本作だが、個性豊かなキャラクターも魅力の一つでもあるため、それぞれの「推しキャラ」の発表が行われた。磯村は「ミー坊のお父さんのジロウさんが大好き」、井川は「総長が好きです。あんなに声が大きいのにハートは大きくない感じが温かい不良だなと」、のんは「本当に難しくて、ちょっとズルしちゃうんですけど私は“箱推し”。全員推しです!」とそれそれの思いが語られた。
さかなクンからのんへハコフグ帽がプレゼントされ「嬉しい!ありがとうございます!」と満面の笑顔でかぶり、さらにはキャストと監督へのサプライズとしてそれそれをイメージした直筆の魚のイラストが贈られ、のんは一等鯛、磯村はクエ、岡山はブリモドキ、井川はマンボウ、沖田監督はショウキハゼが描かれていた。
最後の挨拶ではのんから「この映画は観た人全員が多幸感を感じる幸せな映画だと思います。みんなが好きを持っていると思うので、ミー坊を見て自分の好きを大事にしてください。あなたの映画になりますように!ギョギョギョ!」とメッセージを残した。
取材・撮影 南野こずえ
『さかなのこ』
(C)2022「さかなのこ」製作委員会
全国公開中