嵐莉菜、家族にとって貴重な経験『マイスモールランド』公開記念舞台挨拶
映画『マイスモールランド』公開記念舞台挨拶が行われ、主演の嵐莉菜、奥平大兼をはじめ、アラシ・カーフィザデー、リリ・カーフィザデー、リオン・カーフィザデー、川和田恵真監督が登壇した。(2022年5月7日 新宿ピカデリー)
クルド人の少女が自分の居場所に葛藤し、成長していく姿を描く映画『マイスモールランド』。長期にわたる取材を経て書き上げた脚本を自ら映画化したのは、新鋭・川和田恵真監督。巨匠・是枝裕和監督の助手や、西川美和監督の『すばらしき世界』でメイキングを担当するなど、多くの現場でキャリアを積み重ねていった彼女。自らの抱える想いや熱を投影した『マイスモールランド』は川和田監督の記念すべき商業デビュー作品となった。
主人公のサーリャを演じるのは、ViViの専属モデルである嵐莉菜。本作が映画初出演にして初主演という彼女だが、デビュー作とは思えない堂々とした演技でスクリーンを飾っている。サーリャが心を開く少年・聡太には『MOTHER』で新人賞を総ナメにした奥平大兼。心を寄せる少女の境遇を知り、誠実に真っすぐ接する少年を等身大に表現した。
MC:嵐莉菜さんが演じられたサーリャの家族を演じられたのが本当のご家族ということで、莉菜さん、改めてご家族で初めて登壇してみていかがですか?
嵐:そうですね。普段だったら本当に信じられない光景というか。家族にとって貴重な経験をしたなあと思っています。
MC:実の家族が家族を演じるという所に、監督はどういう魅力を感じましたか?
川和田監督:家族だからこそ、食事のシーンでも家族の空気が出てくると感じましたし、最後の面会室のシーンも父と娘だからこそのお芝居だったかな、と思います。
MC:奥平さんが莉菜さんのご家族と会われたのは撮影のまさにその時だと伺っているのですが、いかがでしたか?
奥平:ご家族で出演されているというのはクランクインの前から一応知ってはいたんですけど、監督から『現場で初めて会ってほしい』とのことだったので、現場で会うまで1回も会わなかったんですけど。それまでリオン君がすごい可愛いっていうのを聞かされていて。でも僕会えないじゃないですか。どんな子がいるんだ?って思って。で、実際見たらこんなに可愛い子がいて。
MC:撮影を一度思い出していただいて、思い出に残るシーンなどを伺いたいのですが。
嵐:このシーンは色んな所で言っているんですけど、本当に一番で。最後に入館管理局のシーンで話す場面があって。そのシーンを撮り終えた時に監督が涙を流してくださって。自分の演技で他人を感動させることができるんだって初めての感情というか、すごく嬉しかったです。
川和田監督:私もそのシーンを思い出します。
奥平:僕はサーリャと、リオン君と3人で絵を描くシーンがあるんですけど、そのシーンが印象に残っていて。大きな木を描いたんですよ。皆でどの色を追加していくかって。やっててこのシーンがすごく印象が強くて。すごい思い出に残ってますね。
MC:リオン君、みんなでペイントしたシーンは覚えてます?
リオン:覚えてます。楽しかったです。
奥平:覚えててくれて良かったです。
川和田監督:リオン君、ずっとスプレーを離さずに手に抱えてましたね。
リオン君の可愛らしい魅力に会場はメロメロ。嵐はリオン君を優しい瞳で見つめながら、撮影の間、奥平に「弟のこんな所が可愛い」とリオン君のアピールをしていたことを明かした。
イベントの後半では、サプライズで是枝監督から川和田監督への応援の手紙が読み上げられる一幕が。是枝監督の温かい言葉に感動した川和田監督は熱い涙を流し「励まされます。ここで止まらず、この作品を届けることが私にとってやらなければならないことだと改めて思います」と真摯に語っていた。
取材 福井原さとみ
『マイスモールランド』
©2022「マイスモールランド」製作委員会
全国公開中