浜辺美波、女性同士の方が気の使いかたが違う『やがて海へと届く』プレミア試写会



『やがて海へと届く』のプレミア試写会が行われ、舞台挨拶に岸井ゆきの、浜辺美波、杉野遥亮、中川龍太郎監督が登壇した。(2022年3月20日 ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場)

詩人としても活躍する中川監督が手掛ける本作の内容は、おとなしい真奈(岸井ゆきの)と自由奔放なすみれ(浜辺美波)は大学で出会い、親友になる。しかしすみれは、一人旅に出たまま帰ってこなかった。5年経っても不在をいまだ受け入れられず、彼女を亡き者として扱う周囲に違和感を抱いている真奈。すみれが大切にしていたビデオカメラには、2人の思い出と知らなかった秘密が残されていた……。喪失と再生に向き合う姿を優しく描いた物語となっている。

主演を務めたのは『愛がなんだ』で注目を集めた岸井。真奈という少しおとなしく抱え込むタイプの女性を演じているが「真奈は言葉であんまり語らなくて。私も友達に相談したり多くを語って何かを求めたりしない。思い出や大事だったものを抱え込んでしまうが、私も抱えたままどこまでも信じられるので似ていた。違うところは、真奈はその思考を他人に押し付けてしまう部分」と自身との共通点を挙げながら役柄を説明。

自由奔放なすみれを演じた浜辺は、岸井との共演について「感性が素敵だから仕草や表情に魅力があふれて、周囲の人が愛しさを感じる。そういう人柄なんだなって、とても素直に憧れを抱きました」と褒めちぎると「照れるんですよ。こうやって言ってもらえると。たぶんアホなだけだと思います」と岸井は照れ笑い。2人は親友という関係性をナチュラルに演じている。

完成した作品を観た岸井は「台本と変わっていたんですよ。映画のマジックというか。自分が出ている映画を客観的には観れないけど、柱が変わっていて。愛情が伝わってきてすごく嬉しかったです」と編集で大幅に印象が変わったことを明かした。

中川監督の印象について杉野は「最初にお会いした時に哲学的な話をしました」と話し、浜辺も「どの瞬間に幸せを感じるのかを問いかけられた」と振り返ったが、なぜか岸井は聞かれなかったそうで「今、聞いてくださいよ」と監督に詰め寄った。

キャスティングの理由を中川監督は「岸井さんってとれたての野菜みたいな瑞々しさがある。透明な存在感があって、いい意味でわがままで力強いイメージの浜辺さん。杉野さんは悪いイメージじゃないある種のナルシスト、聡明な方」と説明し、会場からは納得の拍手が起きた。

女性同士の親友関係が繊細に映し出されいるが、杉野はそれを「友達嫉妬みたいな?」と問いかけると、浜辺が「女性同士で取り繕うことを逆にしてしまう瞬間はわかるかな。女性と会う時ほど頑張ってお化粧をしちゃうとか。気の使いかたが違うとか」と的確に表現。

卒業の思い出について質問されると、岸井は「教習所を卒業しました!」と告白。免許を持っていない浜辺は「うらやましい!」と言い、杉野は「免許の更新を忘れちゃって。ゴールド免許取れるはずだったのに」とまさかの失敗談を吐露。浜辺は「机の上をキレイにしました。白い机なんですけど、気持ちもまっさらになりました」と掃除をしたことを話し、杉野は「ジャージで現場に行っていましたが、ちゃんとオシャレをするようになった。カッコいいから(笑)。気持ちのスイッチが入るし」と現場に入るときの服装を卒業したことを語った。

最後に岸井が「喪失と再生の物語ですが、悲しい気持ちになっても他の感情がないかを探れると思うんです。それを伝えたいなと思いながらこの映画を作っていたので、それが届いたらいいなと思いました」と挨拶をして締めくくった。

取材・撮影 南野こずえ


『やがて海へと届く』
©2022 映画「やがて海へと届く」製作委員会
配給: ビターズ・エンド
4月1日(金)より、TOHOシネマズ曰比谷ほか全国ロードショー!

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