林遣都、仕上がりにワクワクしていた『私をくいとめて』公開記念舞台挨拶
おひとり様生活を満喫しながらも、恋に悩むアラサー女子を描いた『私をくいとめて』の公開記念舞台挨拶が行われ、のん、林遣都、臼田あさ美、若林拓也、片桐はいり、橋本愛、大九明子監督が登壇した。(2020年12月19日 テアトル新宿)
「第33回東京国際映画祭」で観客賞を受賞した本作は、おひとり様生活を楽しんでいる31歳のみつ子(のん)は、年下の営業マン・多田くん(林遣都)が気になりはじめ、脳内にいる相談役に問いかけながら前に進もうとする姿に思わず共感するストーリーとなっている。
劇中では、脳内相談役「A」と会話をするシーンが非常に多いことが特徴であり、主人公・みつ子を演じたのんは、どのように撮影が行われたかについて「事前に収録された「A」の声を流しながら演技をしていた」とのことで、さらには待ち時間にも「A」の声を使ってみんなで楽しく会話をしていたことも明かし、「とても良い声でした!」と晴れやかな表情を見せた。
年下の営業マン・多田くん役の林は、大九監督からアフレコで「歌を覚えてほしい」と言われたり、撮影現場で「ざっぱーん」と言って欲しいなど謎のリクエストに素直に応じていたそうで「どういうものになるのかワクワクがあった」と笑顔で語った。また、主人公が「家でダラダラしている非リア充タイプだと思っていた」と話す橋本は、監督からおひとり様リア充タイプだと教えらえてハッとしたとコメント。
若林が演じたのは、登場シーンはそれほど多くはないがインパクトの強い存在であるカーター。少しオーバーな歩き方について「高校時代にモデル歩きみたいな格好つけた歩き方をしていたんです」と昔と重ねながら演じていたとのこと。そんなカーターに恋をするノゾミさん役の臼田も「ノゾミさんを演じている時間は楽しかったです」と述べた。
親友の皐月が妊婦という設定は映画のオリジナル。理由について大九監督は「おひとり様を極めてきたみつ子が、頼りにしていた友達が海外で違う形になっていたらどう感じるだろう」という背景で橋本に重要な役を任せたことを明かし、橋本は「自分が妊娠していることで、みつ子側の焦りや女同士の独特な感情も考えた」と役作りのエピソードを披露。
もし「A」がいたらどんな悩みを相談するかを聞かれたのんは「今日会ったんだよね?ってくらい、一瞬で仲良くなる方法を知りたい」と言うと、どこからともなく「A」の声が。
『あなたの悩みに私がスッキリ答えます。ゆっくりと下手を見てください。次に上手を見てください。ね、わかりましたね。脳内相談役「A」の中村倫也です。いままでずっと口止めされていました』と、あまりスッキリしない回答とともに、明かされていなかった声の正体が中村であることが本人より発表されると観客がざわつき、本作の感想を『僕自身にも、脳内相談役がいるなと思いながら寄り添う気持ちで観ました』とコメントし、声だけの登場にもかかわらず会場を見事に沸かせた。
取材・撮影 南野こずえ
『私をくいとめて』
配給:日活
©2020「私をくいとめて」製作委員会
全国公開中