吉沢亮、松岡茉優、松坂桃李が喜びの受賞『第10回TAMA映画賞』授賞式



『第28回映画祭TAMA CINEMA FORUM』にて『第10回TAMA映画賞』の授賞式が行われ、深川麻衣、伊藤沙莉、吉村界人、吉沢亮、松岡茉優、松坂桃李をはじめとした受賞者が登壇した。(2018年11月17日 パルテノン多摩)

本授賞式は、明日への元気を与えてくれる、夢をみせてくれる作品や監督・俳優を、映画ファンの立場から表彰する映画賞。2017年10月から2018年9月に劇場公開された作品が対象となっており、国内映画賞のトップバッターを飾ることでも注目を集めている。

最優秀新進女優賞:深川麻衣(『パンとバスと2度目のハツコイ』)、伊藤沙莉(『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)

初映画で初主演となる『パンとバスと2度目のハツコイ』で選ばれた深川麻衣は「自分にとってすごく大切で思い出のある作品で受賞させていただいて信じられないくらい嬉しい気持ちでいっぱいです」と喜びをあらわにし、9歳から芸能活動をしている伊藤沙莉は「今に至るまでの15年間は楽しいだけではなく、悔しいことも傷つくこともたくさんありました。誰かに認めてもらえたり、求めてもらえたりするのは、本当に幸せなことだと思います」と感慨深い面持ち。

最優秀新進男優賞:吉村界人(『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)、吉沢亮(『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)

「僕みたいなやつがこういう場所に立てるのは……今テンパってます(笑)すみません、笑っちゃいますよね」と笑いを誘いながら登壇したのは吉村界人。自身が演じてきた役について難しかった部分を問われると「正直言いますと、全部難しくて。いつも迷いながらやっていますね。全部難しかったです」と素直な気持ちを吐露。今年の公開作品が8本もあった吉沢亮は「どの役も全く役柄の違うタイプで、幅広くやらせていただいた。これからも映画をもっともっとやりたい」と意欲をみせ、やってみたい役を聞かれると「超普通の男というか、等身大の役をやってみたい」と願望を語った。

最優秀女優賞:安藤サクラ(『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)、松岡茉優(『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)

『万引き家族』から2名が選出されるという快挙。しかし松岡茉優は「最優秀女優賞が1名だったら、(きっと安藤サクラのみで)私はここにいません。完全な2位だと思っています」と謙虚な姿勢。さらには『万引き家族』で話題になった安藤のあるシーンについて、「リリー・フランキーさんがそのシーンを観て「安藤サクラはあのシーンだけで8個の賞がとれる」と言いました。2年前にここで最優秀新進女優賞をいただいてからの私の一番の成長は、あのシーンを観て悔しいと思えたことで、それまでの私だったらただ感動していただけでした。サクラさんに追いつきたい、追い越したいと思えるようになりました」と自身の成長を振り返った。

最優秀男優賞:東出昌大(『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)、松坂桃李(『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)

松坂桃李は『孤狼の血』で共演した役所広司の印象を「包み込むような厳しい空気もありつつ、現場にいてくださるだけでキュッと締まるといいますか、あの背中は本当に大きかったなとつくづく思います。撮影が終わったタイミングに劇中で使用したライターをくれたんです。本当に器のはかり知れない、偉大な先輩で尊敬しております」と敬意を払った。

特別賞:『モリのいる場所』(沖田修一監督及び山﨑努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同)、『カメラを止めるな!』(上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同)

『カメラを止めるな!』からは市橋プロデューサーとともにキャス陣がいつものTシャツとは異なる姿で登壇。しゅはまはるみは「小劇場界で細々と長々と芸歴だけは重ねてきて参りましたが、こんな晴れやかな舞台に立たせていただけるとは思いも寄りませんでした」と笑顔を見せた。

『モリのいる場所』からは沖田修一監督と山﨑努が登壇。最優秀新進男優賞の吉村界人も同席し、撮影現場で樹木希林から若い頃のジュリー(沢田研二)に似ていると言われたことに対して「似ていません、全然似ていません」と恐縮。山﨑努は意外にも初共演だった樹木希林について「病気で体調が悪いと聞いていたが、ものすごく元気で。僕が熱中症寸前でダウンしそうになったとき、彼女に助けてもらいました」と当時を思い返した。

そのほかにも、最優秀新進監督賞に今泉力哉監督(『パンとバスと2度目のハツコイ』)、三宅唱監督(『きみの鳥はうたえる』)。最優秀作品賞には『万引き家族』、『寝ても覚めても』が受賞となった。

取材・撮影 南野こずえ

 

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