夫婦で監督、二人で一緒にすべての作業をした『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』ティーチン



1973年、全世界で9,000万人の目を釘付けにし心を揺さぶった世紀の決戦があった。衝撃の実話を映画化した話題作『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』日本公開に先駆けティーチンイベントが開催され、夫婦で監督を務めたヴァレリー・ファリス&ジョナサン・デイトン監督が登壇した。(2018年5月31日 渋谷ユーロライブ)

女子テニス世界チャンピオンのビリー・ジーン・キングは、優勝賞金が男子の8分の1である現状を打破すべく仲間とともに立ち上がる。男女平等を求めたビリー・ジーンはテニス教会を脱退し、「女子テニス教会」を設立。数々の試練に屈せず立ち向かうビリー・ジーンの前に「男性優位主義の代表」の元男子チャンピオンのボビー・リッグスが挑戦を挑んでくる。過去の栄光が見る影も無い現在のボビーは、この試合に一発逆転のチャンスをかけていたのだ。しかし彼女は挑戦をかたくなに拒否。試合は実現しないかと思われたが事態は一転し、ビリー・ジーンはすべてを賭けてボビーに立ち向かうことを決意する。

MC まず今回、エマ・ストーンがいつもと違う華やかさを封印して画面に登場します。彼女をビリー・ジーン・キング役にキャスティングしたそもそもの理由と、撮影中のエピソードを教えてください。
ジョナサン とにかくエマのことを私達はずっと好きだったので、何年も前から一緒に仕事をしたいと思っていました。ビリー・ジーンの持っている精神みたいなものを彼女は持っていて、そこが気に入りましたね。
ヴァレリー エマが「ビリー・ジーンを演じたい」と言ったんです。彼女がやりたいって言う役を私達が断るような馬鹿な真似はしません。

MC ビリー・ジーンは制作に協力的で、最高で9時間のミーティングをやったと聞いています。実在の人物がスタジオの近くにいるとか、実話を映画化するという経験は二人は初めてだったと思うのですが発見とか苦労とかはありませんでしたか?
ヴァレリー ビリー・ジーンは本当に偉大で大きな存在なので、私達は彼女の物語をちゃんと描こうと非常に責任を感じましたし、エマもそれを感じていたと思うんですね。ビリー・ジーンは非常に意見をはっきり言う女性なんです。撮影中はずっと彼女が見守っているというか見張っているっていうか…実際はそうではないと思うんですけどね。そういう気がしました。

MC 二人はテニスをしますか?
ジョナサン あまり上手ではないので誰にも見せないです。

MC どっちが強いんですか?
ヴァレリー 今ラケットがあればお見せしますけどね(笑)

MC 二人は現場でご夫婦としてコラボレーションして監督されていますが、その現場でバトル・オブ・ザ・セクシーズは勃発しないんですか?
ジョナサン 現場では無いです。家ではあります。
ヴァレリー 映画作り自体、非常に色んな大変なことが山ほどありますので、戦っている場合ではないという部分がありますね。できるだけいろんな論争とか争いごとは家で解決して、現場では戦わないようにしています。

MC 映画を監督するにあたって、具体的な分担作業はあるんですか?
ヴァレリー 二人で一緒にすべての作業を行うんですよ。ですから役割分担というものが無いし、二人だと非常に便利ですね。
ジョナサン 二人で作業できて良い所は、家でシーンの読み合わせが全部できるので、現場に着いた時に俳優さんがどういう気持ちでそのシーンを演じるのかを非常によく理解できるんです。とにかく決定事項は全て一緒に、お互いに確認しあって作業しています。

とても息がピッタリのヴァレリー・ファリス&ジョナサン・デイトン監督夫妻は、質問に対してフランクに回答。ティーチンイベントは楽しい雰囲気の中、和やかに進行された。最後にファンから監督への質疑応答が行われ、「日本は先進国と言われながらまだまだ男女平等とは言いがたいのですが、これからこの映画を観る日本人に伝えたいメッセージはありますか」という鋭い質問が飛んだ。これに対し二人は「希望と信念を持って、各自一人一人改革を始めていかなくてはいけないですね。人に優しく、自分に忠実という事が大切だと思います」と熱く真摯に語ってくれた。

取材 福井原さとみ

『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』
配給:20世紀フォックス映画 (C)2018 Twentieth Century Fox
7月6日(金)TOHOシネマズシャンテほか、全国順次ロードショー!

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