斎藤工、僕は犬に育てられた『小さな世界はワンダーランド』初日舞台挨拶
ネイチャードキュメンタリーのトップブランド<BBCアース>が、子供から大人まで幅広い世代に愛される<ピクサー・スタジオ>の協力を得て生み出した映画『小さな世界はワンダーランド』。本作の日本語ナレーションを担当した斎藤工が初日舞台挨拶に登壇。子供たちからの質問に笑顔で答えた。(2015年5月9日 TOHOシネマズ新宿)
MC 斎藤さんは、映画好きはもちろんですが、ネイチャードキュメンタリーも好きとの事ですが。
斎藤 「この作品はCGを使ってませんからね。圧倒的な切り口で、これだけダイナミックな日常を切り取れるという。注目しているジャンルです」
MC 44分という凝縮された時間で、料金も観やすい設定ですが?
斎藤 「映画は2時間弱であるという概念がありますが、逆に丁度いいと思います。SNSが発達されている時代に、2時間拘束されるってある種のリスクだと思うんです。
これから映画がどうあるべきかという意味でも、このスケールでこの尺は、今後の映画を担う作品になっている気がします。料金も観やすくあるべきだと。日本って映画の料金がすごく高いんですよ。もっとファーストフードを食べる感覚で観れたらいいなと思っていたので、すごく素敵な作品とシステムが生まれたなと思っています」
子供たちからの質問コーナーが設けられ、斎藤先生による解説が行われた。
Q.映画に出てきたシマリスは、口の中にいくつまでドングリを入れられる?
斎藤 「10個くらいです。100個くらい集めると冬を暮らせるらしいです」
Q.リスから見た鹿は、私たちから見たらどのくらいの大きさなんですか?
斎藤 「ゾウとかキリンとか、恐竜を見ている感じですよね。僕らからだと昆虫とかとの距離感ですね、相当大きいです」
Q.スコーピオンマウスはどこに住んでいるのですか?
斎藤 「メキシコです。アリゾナ砂漠ってところに住んでいるんです。映画を観たら、会ったような体感ができたんじゃないかなと思います」
MC 色んな質問が出ますね。
斎藤 「そうですね、もっとパンチの効いた質問かなと思ったんですけど。残高を聞かれたりとか(会場笑)」
Q.斎藤さんは、動物は好きですか?
斎藤 「すごい好きです。小さい頃から犬とか猫とか沢山の動物に囲まれて育ちました。亀とか虫も飼ってました。家に大きな犬がいて、ゼロ歳の頃にベランダから落ちそうになった時、僕の洋服の首元をパクッと咥えて寝床に戻したという。僕は犬に育てられました。もののけ姫は他人事ではありません(会場笑) 動物好きですか?何か飼ってますか?」
質問した子供 「飼ってはないです。犬とか猫とかウサギとかも飼ってみたいです」
斎藤 「いいねー。後でママと現実的な話をして(笑)生き物を飼うって大変だけど、得るものもすごくあると思うので、ぜひ共存してください」
Q.斎藤さんは、一番好きな動物はなんですか?
斎藤 「犬派だったんですけど、猫の距離感に魅力を感じていて。気まぐれじゃないですか。主導権を握らせない動物に非常に興味を持ってますね。あと、ヒョウや亀。一番を聞かれているのに、いっぱい出すという。これが大人です(笑)」
Q.斎藤さんは、こんな敵がきたときに戦えますか?
斎藤 「戦えないです。逃げ道と逃げる場所を探しますね。戦ったほうがいいよね?」
質問した子供 「と思いますけど、自分の身のためには戦わない」
斎藤 「かなわない敵とは戦わない方がいいとは思うんですよね。でもカッコイイよね、スコーピオンマウス」
MC 最後にメッセージをお願いします。
斎藤 「ネイチャー作品のファンなんですけど、人間以外のあらゆる生き物が捕食される側で、同時に生きていくために何かの命を狙っているというのが自然の当たり前のルールで。いかに自分が、豊かで緊張感のない生活をしているのかなと思うんですね。色んな生物の生態系を観て、深く物を思うというのは映画の強さじゃないかなと。44分という長さは、映画の未来というか観やすく気軽なものになっていくという意味でも、大きなカギを握る作品だと思います」
取材・スチール撮影 南野こずえ
【ストーリー】
神秘的な原生林に住むシマリスと、見渡すかぎり空っぽな砂漠に流れついたスコーピオンマウス。かれらは大人になるために、生まれて初めて家族と離れ、不思議の世界へ歩を進める。そこは、まるでおとぎ話の世界。しかし、このおとぎの国には、色彩豊かな生命たち以外にもキケンが常に付きまとう。
彼らより大きく、おとぎ話でも悪役のクマやオオカミ、そして、いのちを狙うハンターたち、さらには、はじめて過ごす、来たる厳しい冬。彼らの世界を生き抜くため、そして、大人になるには、何もかもが一大事。初めて勇気をふりしぼり、 確かな一歩を踏み出す。小さいけれど世界一大きな成長ものがたり―。
『小さな世界はワンダーランド』
監督/脚本/製作:マーク・ブラウンロウ『プラネットアース』
脚本/製作:マイケル・ガントン『ライフ -いのちをつなぐ物語-』
提供:BBCワールドワイド ジャパン 配給:ギャガ (C)BBC 2014
公式サイト:wonderland.gaga.ne.jp
2015年5月9日(土)TOHOシネマズ 新宿 他全国順次上映中