『Paper Cranes Story』スタジオリマップにインタビュー!


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ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2013にて優秀アニメ賞、山形国際ムービーフェスティバル2012で特別賞を受賞した『嫌われ者のラス』。山形国際ムービーフェスティバル2010 アニメ・CG部門最優秀賞、ジャパン・フィルム・フェスティバル ロサンゼルス2011正式招待作品に選ばれた『OROKA』など、生み出す作品は世界的に評価され、今後の活動が注目されているスタジオリマップ。

スタジオリマップが映像化に携わった『Paper Cranes Story』(ペーパー・クレーン・ストーリー)が待望のDVD発売。そして、ドリームワン・インターネット・シアターでも動画配信中(300円)。本作は日本が誇る文化のひとつであり、希望や平和への願いを込めて世界中に伝わり続ける、千羽鶴をモチーフに制作された物語。

命を吹き込まれた折鶴、ケンタとマイコ。傷ついた者を励まし、勇気を与える千羽鶴になるのが宿命。
しかし、宿命と交差するように、強い想いが運命を変える。

【ストーリー】
折り鶴を擬人化したファミリー、鶴紙家。
主人公は鶴紙家の長男のケンタとサラエボから帰国した折り鶴少女のマイコ。ケンタは少し勝気でテレ屋だが、折り鶴学校で傷ついた羽根を癒すマイコに出会う。ケンタはマイコに出会った事で、世界に傷ついた子供たちが沢山いることを知る。ケンタはマイコの異国での体験を聞いたことで自我に目覚めていく。
折り鶴の宿命として千羽鶴の一員として家族と行動を共にするか、家族と離れマイコと一緒に傷ついた子供たちを励ます旅に出るか思い悩むが、マイコと一緒に行動を共にする決断する。

本作にて監督とアニメーションを担当したスタジオリマップのYORIYASU監督と、エイイチさんにお話を伺いました。
イラストレーターだけに、ご自身方の似顔絵で登場していただきましょう。

Q.まず、原作を読んだ時、感じたことを教えてください。studio_remap
YORIYASU監督:いつもスタジオリマップに何かしらのお話をいただいた時、先ず検討することが、スタジオリマップのコンセプトからずれていないかどうかです。スタジオリマップ作品は主に社会問題をテーマにしていますので、メッセージとして伝えることができるかどうかが重要なんです。PaperCranesStoryは佐藤プロデューサーからお話をいただいて本を読んだ時点でピッタリだなと思いました。

エイイチ:折鶴の使命。考えた事も無かったですね。折る側が勝手に願いを込めて渡してた物をちゃんと折鶴が責任を持って感じていてくれたんですね。とっても素敵な話だと思いました。

Q.本作品を映像化するにあたって、どのような事に苦労しましたか?
YORIYASU監督:正直言うと、僕は擬人化したかったのでプロデューサーと議論を交わしました。しかし佐藤さんも熱い想いを持っておられたので、僕もその想いに応えられる作品にしようと決意しました。キャラクター誕生に関しては、折り鶴のキャラクター化なんて今まで想像もしたこともなく、折り鶴自体が鶴をデフォルメした角ばった形状なので、それを丸く太めでかわいいキャラとの希望で、かなり苦戦しました。。笑))

Q.折鶴の山折り、谷折りなどの表現がなるほどと思わせてくれましたが、アニメーションで表現する上で、こだわった部分はありますか?
エイイチ:描くにあたっては実際に折鶴を、それこそ千羽鶴ができるんじゃないかってぐらいに折りましたよ(笑)
同じ折鶴でも器用な人が折るのと、そうでない人が折るのとではいろんな表情があるんですよね。そういった事もアニメに出しかったのであえてスタイルが悪い鶴なども描きましたね。
それと、ケンタ達は鶴では無いし、折り紙でも無い。不思議な存在。飛び方も、鶴にし過ぎないように、また紙っぽくならないように注意して描きました。

Q.色んなキャラクターが登場しますが、ご自身を例えるなら?
YORIYASU監督:たぶんケンタだと思います。ケンタは普通の男の子ですが、いろんな人からの助言や協力によって、自分の信じる方向へ進んでいきます。僕もたくさんの方々の助言やご協力で自分の進みたい方向へ進もうとしているので、そういった意味では感情移入することができました。ちょっと抜けてるとこも似てるかも。。。

エイイチ:ケンタにはなれないかな。。。どうしても自分の家族を優先してしまいそうで。俺はケンタのオネェちゃんが一番近いかも

Q.本作を通じて、伝えたいことは何ですか?
YORIYASU監督:勿論、「平和」です!
同じ人間なのに、住む場所や環境によって価値観のずれから戦争が起きています。国対国、宗教の違いによる武力紛争、、、ややこしくて難しい問題から勃発しているようにみえますが、実はとても単純なことから国民までもが犠牲になってるのではないでしょうか?宗教の武力紛争。。宗教ってだいたいが平和や救いを教える「神」がいますよね?
みなさん、お守りって何かしら身に付けてたり、持ってたりする方って多いんじゃないでしょうか?その際にどこの神社で購入したのか、誰かがくれたのか、いろんな種類のお守りが一緒に入ってたりして「これって神様同士がケンカして運気が下がるんじゃ。。。」なんて考えたことないでしょうか?
どこかで聞いた話ですが、神様はそんなことでケンカしたりするほど小さな器じゃないそうです。ということは宗教の武力紛争なんて神様は望んでいないんじゃないでしょうか?

エイイチ:ほとんど監督と同じです。
作品を観て、大事な人を見舞う時に千羽鶴を折りたくなってもらえたら嬉しいです。

Q.本作は使命、運命というキーワードが印象的ですが、ズバリ!スタジオリマップの使命とは?
YORIYASU監督:スタジオリマップはメッセージを伝えることがコンセプトです。僕たちが制作するアニメ作品をたくさんの方々に観ていただき、一人でも良いから僕たちの作品を観て心で感じて欲しいです!
作品を観た方が、その方の人生に少しでも影響していただけたなら、僕はスゴイことをやり遂げたことになると思います。

エイイチ:ずばり長編製作でもっと沢山の人に観てもらえる映画作りです!!そして尊敬しているYORIYASU監督を世界一の監督にしたいです!

あ、そういえば、ご紹介が遅れました。
髪もヒゲもフサフサな方がYORIYASU監督。・・・ツルツルな方がエイイチさんです。

Q.スタジオリマップが大切にしていることは?studio_remap2
ヒゲ監督:メッセージを伝える限りは、自分の間違った知識で作品を制作するわけにはいきませんので、しっかりとリサーチや調査、伝えたいことに関連する場所へご訪問し、自分のヒゲで事実を確かめることを大切にしています。

ピカリン:観てくれた方が、作品をキッカケに次のアクションに繋がる作品ですかね。
その前に、俺の呼び方が急に変わったよね。。。

Q.今後のハゲ活動について、教えてください。
ピカリン:鶴の話だけに、今後もツルツルした頭で活動を・・・。
・・・確認するけど、シネマカラーズって映画のサイトだよね?

Q.今後のヒゲ活動について、教えてください。
ヒゲ監督:もっと伸ばしたほうが良いか、無精ヒゲっぽくした方が良いか悩んでます。最近はヒゲに2~3本白髪が出てきたので、白髪染めシャンプーを塗ってみて普通の白髪染め並みに染まるのか、検証中です。
白髪染めシャンプーは徐々にしか染まらないから染まってるかどうか分かりづらいっすよね~。

Q.今後のスタジオリマップの活動について、教えてください。studio_remap
YORIYASU監督:長編商業アニメ映画を制作して全国ロードショーです!
今まで主に短編アニメを制作し続けてきました。その度に「短編なんかお金になるの?」などなど痛いことをたくさん言われました。。短編には短編の意味があるのですが、それはまた今度、詳しくってことで。。
しかし、種まきをして実を作ることで大きく成長することは社会の流れと同じで、短編で実績を作り長編への道ができると僕は思ってます。
よく耳にする「最近全然楽しいことない。。なんかみんなでとてつもないことしようぜ!」とか言うようなことを、本気でバカになって実践するのが「スタジオリマップ」です!

取材:南野こずえ イラスト:エイイチ

『Paper Cranes Story』
監督:YORIYASU アニメーション制作:エイイチ
原作:秀丸 脚本:桑田健司 プロデューサー:佐藤ヒデアキ
制作:ドリームワンフィルム
公式サイト: http://papercranesstory.com/
ドリームワン・インターネット・シアターにて動画配信中。(300円) http://dreamonetheatre.com/
電子絵本「ケンタとマイコ」Kindle版がAmazonで発売中。(800円)
DVD発売中。

スタジリマップ公式フェイスブック https://www.facebook.com/studio.remap

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