山本太郎出演の原発映画『朝日のあたる家』東京公開!


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山本太郎議員が出演した『朝日のあたる家』。本作は原発事故を扱った映画ということもあり、公開がなかなか決まらなかったが、各地の映画館に「ぜひ上映してほしい」と直接直訴する有志の声が止まらず、東京での上映が決まった際には、Yahoo!のトップニュースになった。9月28日よりアップリンクにて、3ヶ月上映予定。東京公開記念舞台挨拶に山本太郎議員、太田隆文監督が登壇した。(9月30日 渋谷・アップリンク)

なぜ本作に出演したのか?
山本「最初、映画ができあがった時に、これを上映してくれる映画館っていうのは・・・」
監督「ゼロです。全部断られて、『原発映画なんてできません』とか言われて。よく出てくれましたね。そもそもなんで出てくれたんですか?」
山本「2011年の3.11があって、この状況に気がついて、自分で行動を始めたんですよね。仕事はだんだんなくなっていく。ま、これ、当然のことなんですよね。広告料を糧にしているテレビ・新聞は厳しいものがありますよね。映画もそうです。映画も、製作委員会といって、スポンサーからお金をもらって成り立っているから。とは言えども、原発をテーマにした舞台やったりとか、予算が少なめの映画だったりとかは存在していましたよ。声を掛けて頂いていたんですけれど、今自分が原発に対するアクションをやっているから、わざわざ演じる必要はないんじゃないかなという思いがあったんです。そんな時間があったら、知らない人に声を掛けるという活動をやった方がいいだろうと思っていたんです。でも、監督から台本が送られてきて、お会いして、自分の役のところを見た時に、これだったらやってもいいかなと。監督がすごく情熱的に口説いて下さって。そういう部分だと思います。」

シナリオを最初読んだ時、どう思いましたか?
山本「事故って前のことっていうような、記憶の中から薄れつつある部分ってあると思う。事故ということの核心であったりとか、被爆者の原発・被爆っていう問題に対しての核心というところになかなか大手メディアは迫れないということがあるんで、『オリンピック来た、やったー』みたいな最近の流れがあって、皆すっかり終わったことっていうようなところがある。 ドキュメンタリーでいいだろうと僕の思いがあったんですけれど、ドキュメンタリーで表現できないところってありますよね。例えばカメラが回せなかった部分だとか、カメラがちょうどそのタイミングで回っていなかったりだとか。例えば園子温監督の映画(『希望の国』)の中で、酪農家の方が、自分が育ててきた牛を自分の手で処分していくところとかは、ドキュメンタリーでは無理ですよね。映画には映画にやれることがあるんだ、っていうところで、人間ドラマ・葛藤が台本の中にあったんで、こういう部分はドキュメンタリーでは追えない部分なんだろうなって思って、例えそれがお芝居であっても、この映画はしておかなくてはいけない、と思っていた。けれど、もう既に芝居じゃないですよね。」

待ち時間の”山本太郎講座”について
監督「待ち時間に太郎さんが、若い子たちに、放射能講座をしていましたね。『これ食べたらあかんで』とか『これ気ぃつけな』とか。」
山本「放射性物質を取り込みやすい食品っていうのがあるじゃないですか。ちょっと話していたら、あまり情報に触れていなかったみたいで、せっかくそこで出会ったから、映画を作る以外にも何か意味があると思って、気をつけた方がいいっていうことは言いました。」
監督「若い子たちって、そういうのを知る機会がないんで、そういうのを太郎さんが言っていると、皆聞きたいと思うし、話も面白いし。『そうやったんや』って、あれからあの子たちも気をつけるようになった。危険性や原発のこともあるけれど、これからのことも、太郎さんのような人が言ってくれるとわかりやすい。」
山本「出演者の中に、ホットスポットの近くに住んでいる子がいて、『友達からメールが来てたんですよ、「鼻血が止まんなーい」とか言って』ってすごく普通のことのように言っているから、『それ普通じゃないよ』っていうところから始まっていったんですけれど。自分でケアしていかないと。国、責任取らないですもんね!?びっくりするくらい。やりっぱなしですもんね?基準だけ上げて、『OKです』とか言っているような世の中なんで。だから一人一人が生きるっていうことに対して、自分自身を守るっていうことに対して、もっと意識的にならないと危ないんだっていうことを伝えました。」

最後に一言
山本「嫌がられていたのに、この映画がなぜ全国18館まで広がったか。もちろん作品の出来が素晴らしいというのもありますけれど、それだけじゃなく、『この映画を上映してください』っていううねりが起こったんですね。だからこそ、ここまで広がった。このうねりっていうのは、僕たちが何かアクションを起こせば、必ず返ってくるものがあるんですよね。 今止めなくちゃいけないもの:原発。もちろんそうです。でも、全ての情報を遮断するっていう法案が秋に通るんですよ。秘密保全法。これが通っちゃったら、権力者が秘密にしたいこと、何でも秘密にできちゃうんです。これを今全国キャラバンで、北海道から沖縄まで、人が多いところでしゃべっているんです。国会の中では、決着がもうほぼついちゃっている状況です。始まる前に。これをひっくり返せるのは、一人一人が地元選出の国会議員に対して、FAX・メールで『秘密保全法反対!反対していただけなければ、次の選挙では応援できません。 “次の選挙を応援できない”と地元の有権者から言われる程辛いことはないんですよね。このマジックワードをキーワードに、みんなでプレッシャーをかけていって、国会が始まる前までに、1万、2万っていうFAX・メールが各事務所に届くようなアクション、皆さんも参加してもらえないですか?情報がないっていうのが一番恐ろしいじゃないですか。その恐ろしさを、僕たちは原発事故で知ったと思うんですよね。そして、今からこの映画を見たら、その内容がわかると思います。詳しくは、僕のホームページ『今はひとり』(http://taro-yamamoto.jp/)でこのチラシ、ダウンロードできます。そして、amebloで、『山本太郎』で検索して頂ければ、このことがざっくり書かれていますので!“映画の宣伝に来たのに、また政治的な発言しやがって!”でお馴染みの、山本太郎でした!」

【ストーリー】
静岡県、湖西市。自然に囲まれた美しい町。そんな町に住む平田一家。お父さん(並樹史朗)は農業。お母さん(斉藤とも子)は主婦。長女(平沢いずみ)は大学生。妹(橋本わかな)は中学生。日本中どこにでもいる平凡な家族。ただ、長女のあかねだけは、この町が好きではなかった。大きなショッピングセンター、映画館やコンサートホールがない。就職後は都会で一人暮らしを夢見ていた。そんなとき起こった大きな地震。原子力発電所が爆発。避難勧告。1日で帰れると思っていたら、何ヶ月も帰れない。父は仕事を失い、母はノイローゼ、妹は病気になる。ようやく許可された一時帰宅も1時間の制限付き。荷物を取ってくることしか許可されない。福島と同じ事態だ。あかねたちの家族もまた、大きな悲しみの渦に巻き込まれて行く。

『朝日のあたる家』
キャスト:並樹史朗、斉藤とも子、平沢いずみ、橋本わかな、いしだ壱成、藤波心、山本太郎
公式サイト http://asahinoataruie.jp/

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