前田敦子、井浦新、杉野希妃、入江監督らが授賞。『第22回日プロ大賞』授賞セレモニー


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『第22回日本映画プロフェッショナル大賞(日プロ大賞)』の授賞式が行われた。日プロ大賞とは、作品への評価が高いにもかかわらず、既成の映画賞では不幸にして受賞に至らなかった作品、あるいは様々な理由から、興行面で結果を出せなかった作品を選出している映画賞。(2013年6月15日 テアトル新宿)。

井浦新:主演男優賞『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』『かぞくのくに』
前田敦子:主演女優賞『苦役列車』
若松孝二:監督賞『11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』『海燕ホテル・ブルー』
『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』入江悠監督:作品賞
杉野希妃:新進プロデューサー賞『おだやかな日常』
鈴木伸英:特別賞 銀座シネパトス元支配人 長年の功績に対して
三宅唱:新人監督賞 『Playback』※代理登壇 村上淳
大谷直子:特別賞 『希望の国』、及び長年の功績に対して ※代理登壇 華子nichipro017

新人監督賞には三宅唱監督。代理で登壇した村上淳は、監督の手紙を読み上げた。「プロフェッショナルという言葉からイメージしたのは、近所の八百屋のおじさんや、寿司職人さんです。撮影中に「映画は生き物だね」という言葉を村上淳さんにかけてもらいました。その言葉を、役者たちやスタッフの姿を見ては噛みしめています。どうやら八百屋さんと映画屋は、共通する心を持っていそうです。プロとは生きているもの、生のものをどれだけ丁寧に扱えるのかということなのかもしれません。いつまでもフレッシュなままであるような映画を作り続けるよう、精進したいと思います。」

主演女優賞に選ばれた前田敦子は「映画をこよなく愛する皆さんから頂けた賞なので、とっても嬉しいです。まだ卵な私ですけど、これからも胸を張って映画が好きと言っていける人でいたいと、改めて思いました。『苦役列車』の山下監督との出会いは、自分の中で確実に大きいです。「こういう風になりたい!私も頑張ります」と、初めて皆さんの前で言ったのが『苦役列車』の打ち上げのときだったので、それは忘れないです。」と女優としての意気込みをあらわにした。nichipro012

新進プロデューサー賞の杉野希妃は「『おだやかな日常』はみんなで苦労して作った作品ですので、私だけが個人賞を頂くのは心苦しい気がするんですけど、この賞を持ち帰ってみんなで喜びを分かち合いたいと思います。震災後の日本の状況を見ながら、色んな方々が日本の中に混在していて、お互いを受け入れあって生きていく世の中になればいいなという気持ちで作った作品です。」と本作への思いを語った。

また、惜しまれながら閉館した銀座シネパトス、『希望の国』で圧倒的な存在感を放った大谷直子(代理登壇:華子)が特別賞に選ばれた。作品賞『SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』では、入江監督が「プロフェッショナルなのにインディペンデント作品が多いのは画期的」とコメントし、さらには本作でお馴染みのキャスト『SHO-GUNG』が駆けつけ、ラップで会場を盛り上げた。
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『11.25 自決の日 三島由紀夫と若者たち』で、三島由紀夫を演じた井浦新は主演男優賞。若松監督が「三島で主演男優賞を取らせたい」と言っていたことを明かし、念願の授賞となった。

そして、監督賞には故・若松孝二監督。若松監督のマフラーと共に登壇した井浦は、「若松監督の独立プロは、映画界の最後の砦だと思っていました。残された映画人たちは映画という1つの文化、火を消さないように活動し続けていかなければいけないと思っています。映画を宜しくお願いしますという気持ちです。」と映画業界への思いを語り、「若松監督、おめでとうございました。」と、喜びを天に捧げた。

取材・スチール撮影:南野こずえ 取材:吉田遊介

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