大沢たかお×松嶋菜々子世界へ!『藁の楯』カンヌ国際映画祭記者会見レポート!
大沢たかお×松嶋菜々子世界へ! 〈第66回カンヌ国際映画祭フォトコール&公式記者会見ご報告〉
現在絶賛公開中のスリル&サスペンス超大作「藁の楯 わらのたて」が、現在開催中の第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門へ公式に選出され、本日、現地時間5月20日10:30より、フォトコールと公式記者会見が行われた。日本からは三池崇史監督と、大沢たかお、松嶋菜々子の 3 人が駆けつけた。
『藁の楯 わらのたて』記者会見レポート
Q.監督は“義務”という概念の強い日本社会についていかがですか?
三池監督:生きている人間のテーマとさほど変わらない。人間を描いていれば、警察官と犯罪者という立場ではあるが、そこに人間としての日常がある。それをシンプルに描いた結果、縦社会、日本社会で解決しずらい問題などが自然に浮き彫りになった。
Q.原作とずいぶん変わっている点、とくに松嶋さんのキャラクターを(映画で)シングルマザーに変えた点については如何でしょうか。
松嶋:最初の台本では独身でした。でもその後わたしが演じることになって、監督が子持ちの役に変えてくださいました。原作はもちろん素晴らしい本ですが、映画でまた少し設定を変える事で、観客の方にもフレッシュな気持ちで見て頂けると思います。また私自身、シングルマザーというところで共感できましたし、より白岩の人物設定が作りやすかったです。自分の引き出しのなかから自然に役作りすることができたので、それほど難しいと感じることはありませんでした。
大沢:最終的に深いところに流れているものは原作と変わらないと思い、自分ではとくに(変更点は)意識せず、同じ気持ちで演じました。
Q.カンヌに来た感想について
三池監督:(カンヌの受け止められ方が変わったと感じるか? とくにこれがコンペに選ばれた点について)自分でも(コンペに選ばれて)本当にびっくりしました。主催者にも(質問を)投げかけてみたが、そんなことはない(*意外ではないという意味)と言われた。だから我々はなんの先入観もなく、作りたいものを作っていけばいいのかな、と。そのままやっていけばいいのかな、と感じさせてもらった。
松嶋:カンヌに来たのは16年ぶりです。そのときも大沢さんと一緒でテレビドラマ「深夜特急』の仕事でした。とても奇遇だと感じています。光栄です。
大沢:カンヌに来られて本当によかったと思います。正式上映はこれからで緊張もしていますが。日本で空港を出るときにみなさんから頑張ってください、と言われていまさら頑張りようもないかなと思いましたが(笑)、でも来られてよかったと思います。
Q.罪や人を許すことがひとつのテーマだが、それをどう自分のなかで消化して演じたのか。
松嶋:答えのない難しいテーマだと思います。大きなテーマというよりは、白岩のポジションを理解しようとしました。清丸に対して職業として付いている、一番足かせのない立場(個人的感情がないということ)であると思いながら、演じました。それを見ている方それぞれに解釈して頂くのがこの映画の狙いだと思います。
大沢:登場人物全員がそれなりの正義、見方を持っていると思います。それがぶつかりあって、微妙な均衡を保っているのが、社会そのものでもあると。でもその均衡が、事件や刺激によってあっという間に歯車が狂うのが、世の中そのものだというように考えました。そういう意味で、(そういう状況になったらどうなるのか)自分自身も問われているような気持ちで演じていました。
Q.なぜ台湾で撮ったのか、またその経験はどうだったか(台湾のジャーナリストよりの質問)
三池監督:以前低予算の作品を作っているとき、台湾で自由に撮らせてもらった経験があるので、今回思いついた。日本ではいざ大規模な作品を撮るとなると、安全第一で許可が降りないということがあった。また台湾で日本の新幹線が走っていたこともあり、台湾で撮影することになった。快く引き受けてくれて、またお世話になりました。
松嶋:台湾の方々もとても優しく接して頂き感謝しています。撮影はとてもハードで観光などをしている時間がなかったので、またぜひ今度は観光で行って、おいしいご飯を食べてみたいと思います。
大沢:台湾の方の協力がなかったら本当に撮影できなかったと思います。ぜひ公開の際も訪れたいと思います。
Q.スピルバーグが今年は審査員長ですが、エンターテインメントはとかく評価されにくいという状況のなかで、どんな期待をしているか。
三池監督:パルムドールは頂けたらもちろん頂きたいと思いますが、自分はなかなかそういうタイプではないかなと(笑)。いろいろな作品があるなかで刺激になってくれればと。こういう場で上映される事、それ自体でもう十分満足しています。
【ストーリー】
凶悪犯の命に 10 億円の懸賞金がかけられた!全国民の殺意が向けられるなか、48時間以内に凶悪犯の身柄を福岡から警視庁に移送するため、5人の SP と刑事が選ばれた。日本映画史上かつてないスケールで描かれるアクション、刻々と迫るタイムリミットをめぐるサスペンス、誰も予想できなかった驚愕のクライマックスへとすさまじいスピードで突き進んでいく、日本のエンタテインメント大作映画の歴史を変える作品が誕生した!
『藁の楯』
大沢たかお 松嶋菜々子 岸谷五朗 伊武雅刀 永山絢斗 余 貴美子/藤原竜也/山﨑 努
原作:木内一裕「藁の楯」(講談社文庫刊) 監督:三池崇史
配給:ワーナー・ブラザース映画 (c)若山和子/(c)KAZUKO WAKAYAMA
www.waranotate.jp www.kiyomaru-site.jp
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