臼田あさ美に瞬き禁止令!!目で語る秘められた恋心『桜並木の満開の下に』完成披露試写会


震災後の茨城県日立市を舞台に、事故で最愛の夫を亡くした妻とその夫の死を招いてしまった男との許されざる関係を描く本作。主演でドラマ・映画などで幅広い演技を見せている臼田あさ美さんとベルリン映画祭の常連となり国際的にも評価が高い舩橋 淳監督が登壇した。 (2013年4月4日 ヒューマントラストシネマ渋谷)

本作では最愛の夫を亡くしてしまい、心に悲しみを抱える役の臼田さん。「こういう悲しいことはある日突然、誰にでも起こりうることなんだなと意識するようになった」と震災や日々の悲しい事件などに敏感になったことを語った。

複雑な感情表現が必要とされる臼田さんに対し、どのような演出をしたのかという問いに舩橋監督は「(出演作品などから)存在感があるというのはわかっていたので、はじめに会った時に“瞬きはしないでくれ”とお願いしました」と瞬き禁止令を出したことを明かした。

「この作品は主役である“栞”(しおり)が内に秘めている感情に観客が少しずつ入っていく心理劇になる。ということは、“目”で語る作品になるので、そのようなお願いをしました」と監督は語った。臼田さんは「海のシーンなんかでは潮風が目に染みて、瞬きしてしまいました…」と反省する場面も。

また舩橋監督は「小津安二郎や木下恵介、成瀬巳喜男など、派手さはないが心情がしっかり描けている作品が好きで、最近そういう作品が少ないと感じたことや震災以後、人間が自分や周りをじっくり見返す作品というのも時代的には合っているのではないかと思うようになった」と複雑な心情が入り乱れる本作を作るきっかけも語ってくれた。

取材・文:有城裕一郎

【ストーリー】
小さな町工場で働く栞は結婚したばかりの同僚・研次との幸福な生活を夢見ていた。ある日、作業中の事故で研次が亡くなり、栞の生活は一変する。事故を起こした若い工員・工は栞に謝罪しようとするが、栞はそれを受け入れられない。だが、研次の死によって経営的な危機に陥った工場を立て直すべく必死に働く工の姿を見て、栞の閉ざされた心は和らぎ始める。やがて1 年が過ぎ、工の功績もあって工場は再び軌道に乗り始める。そんな時、栞は工が工場をやめて出て行くことを知らされる。工を問い詰めた栞はその理由を聞いて動揺する……。

『桜並木の満開の下に』
監督:舩橋淳 主演:臼田あさ美、三浦貴大、髙橋洋ほか
©2012 『桜並木の満開の下に』製作委員会
4月13日より テアトル新宿ほか全国順次公開!
公式HP : http://www.office-kitano.co.jp/sakura/

 

記事が気に入ったらいいね !
最新情報をお届け!

最新情報をTwitter で