『ドコニモイケナイ』



渋谷で出会った一人の少女の夢の挫折とその後―――。
あなたには、ちゃんと居場所がありますか?生き場所がありますか?

新聞やテレビで「統合失調症」 のニュースなどを目にすることが稀でなくなった昨今。
しかし、まだまだ周囲の偏見や知識の周知が遅れているのが現状。『ドコニモイケナイ』は、一人の少女が、統合失調症になる前と後、そして、9年後を追いかけ、「患者」としてではなく、一人の少女の生き様を描き出した作品である。夢の挫折。居候生活、幼少期の父親の不在、高校時代のうつ病体験。傷つきながらも、たくましく生きる彼女の姿は現代を生きる私たちに、どう生きるかを問いかける。

【ストーリー】
10年前の渋谷。
「自分の居場所が確実にあるはずだ」 と信じてやまない10代や20代前半の若者たちが、何かしらの雄叫びをあげていた。そして、9.11直後も それは何もかわらなかった。

そんな中、ひときわ遠光を放つ一人のストリートミュージシャンがいた。東京で歌手になることを目指し、故郷・佐賀県からヒッチハイクで出てきた吉村妃里だ。
当時20歳、映画学校の実習のテーマを模索中の島田隆一とスタッフたちは、彼女の話を聴くうち、彼女の魅力に虜になる。それから約半年間、夢中に彼女を追いかけて、 300時間の撮影が続けられた。しかし吉村妃里が突然、統合失調症を発症し緊急入院。そして、強制帰郷という結果に見舞われ、映画の制作が中断してしまう。その後、監督含め制作スタッフは、 映画学校を卒業し、記録されたテープは放置されたまま、それぞれの人生を歩み始めた。

―――それから9年。
中断したままの過去。完成されるはずだった一本の映画。 繰り返される未練と諦観。映画監督になると意気揚々としていた10年前の自分に決着をつけるため、島田隆一は再び吉村妃里に会うことを決意し、彼女の故郷である佐賀へと向かった。

『ドコニモイケナイ』
監督:島田隆一
公式HP:http://dokonimoikenai.com/
2012年11月24日(土)よりユーロスペースほかにて公開!

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