『からっぽ』
「誰も≪僕≫を見ていないのならば、≪僕≫は存在していないも同然なのではないか?」
本作は、そんな誰もが一度は考えたことがあるであろう、存在への問いかけをしてしまったことから、「テレポート」能力に目覚めてしまった少年の物語です。一見、突飛にも思える設定ですが、そこに込められているのは「孤独」という普遍的なテーマ。そんな「孤独」に関する物語を、本作は時にコミカルに、時にセンシティブに描き出している。
群馬発、新人監督が一から立ち上げた青春テレポートムービー!!
監督は本作が劇場デビュー作となる、27歳の映画監督・草野翔吾。『からっぽ』は、彼の故郷であり、レトロな雰囲気漂う街並みをもつ群馬県桐生市で撮影された。
主人公の加藤小判役には数度に渡るオーディションの末、選ばれた16歳の新星、清水尚弥(『山田太郎ものがたり』/ 07)。素っ裸で駆けまわったり、街中で河童の格好をしたりと、まさに体当たりで小判を演じています。そして、ヒロインのシーナ役には、映画『20世紀少年』(09)のカンナ役も記憶に新しい、平愛梨。脇を固めるのは、日本を代表する俳優・大杉漣を始め、三浦誠己、山本浩司。さらに、品川徹、宮下順子といった名優が、脚本を読んで出演を快諾。
【ストーリー】
家族も友達もお金も、存在感すらもない、高校生・加藤小判。
彼が持っているものは、ただひとつ。誰からも存在を意識されない時、本当にその場から存在を消せる「テレポート」の能力だ。しかし、テレポート先で素っ裸になってしまうその能力が役に立つことはなく、小判の孤独を証明するだけであった。ある日、家を追い出された小判は、誰もいないはずのテレポート先で、シーナと名乗る女性に出会う。シーナもまた家がなく、小判の能力を利用することを思いつく。そして、帰る場所のない二人の、奇妙な共同生活が始まった。同じ頃、町はにわかに活気づいていた。スーパーの防犯カメラに「白い河童」が映し出されていたのだ。その話を聞いたまちづくり委員の面々は、「白い河童」に賞金を懸けて、町に活気を取り戻そうとするが……。
『からっぽ』
キャスト:清水尚弥 平愛梨 / 三浦誠己 山本浩司 / 向清太朗 伊藤毅 橘実里 岡田浩暉 /
大杉漣 品川徹 宮下順子 監督:草野翔吾
2012年6月16日(土)ヒューマントラストシネマ渋谷 © GAF LLC
公式サイト http://www.karappo.me