『CUT』
――映画のために死ね――
映画監督の秀二は、兄が遺した借金を返すため、殴られ屋をしている。殴られるたびに名作映画を想い浮かべる秀二。何度殴られても、映画への愛情がふたたび立ち上がらせる。
【ストーリー】
いつも兄の真吾からお金を借りて、映画を撮っている秀二(西島秀俊)は自分の映画と映画の持つ力を信じていた。ある日、真吾が借金のトラブルで死んだという知らせを受ける。ヤクザの世界で働いていた真吾は秀二のためにヤクザ事務所から金を借り、命を落としてしまったのだ。何も知らずにいた自分を責める秀二。
借金を返すあてもなく、秀二はヤクザ相手に体を張って金を稼ぐこと――殴られ屋をすることで借金を返す決心をする。殴られる場所は兄が死んだ場所でなければ、兄の痛みを一緒に感じなければ殴られる意味がない、と考えた秀二は、ヤクザ相手に仕事をする陽子(常盤貴子)と組員のひとりであるヒロシ(笹野高史)を巻き込みながら殴られ屋を始める。殴られるたびに自分の愛する映画監督たちが撮った作品を想い浮かべる秀二。何度殴られても、映画への愛情が秀二を支える。
しかし、莫大な借金を簡単に返せるわけもない。それでも、この場所にこだわり続ける。
カネはもはや問題ではなくなっていた。苦しさに耐えること、殴られても立ち上がること――それはどんなに汚されても、まだ光を失わない“映画”そのものの再生を信じているかのようだ。秀二はすでに死を覚悟しているのだろうか。それとも、この試練に立ち向かうことで愛する映画を救おうとしているのだろうか……。
作品情報 | 『CUT』 |
公開情報 | 2011年12/17(土)より シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次ロードショー! |
監督 | アミール・ナデリ |
脚本:アボウ・ファルマン 共同脚本:青山真治、田澤裕一 | |
キャスト | 西島秀俊 常盤貴子 菅田 俊 でんでん 鈴木卓爾 笹野高史 |
© CUT LLC 2011 |