『明日泣く』
ー今日は笑って生きてやるー
生きることに不器用な男と女が奏でる、青春グラフィティ
いつの時代でも生きることに不器用で、どうしたって社会からはみ出してしまう若者はいる。
彼らはかつて“アウトロー”と世間から呼ばれ、社会の片隅で生きていた。賭博場、ジャズクラブなど、あの時代には、そんなはみ出し者を受け入れてくれる“居場所”があり、ギャンブルに明け暮れ、ジャズを浴びるように聞き、酒とタバコを愛し、彼らなりの“青春”を謳歌していた。彼らは、大人から非難され、否定されても、自分を信じ、我が道を生きた。
ジャズピアニストのキッコは、小説家の武に言う。
「生きたいように生きて、泣いたりなんてしない。好きなことをしたから泣きをみる、それじゃ人生つまらない。私は後悔なんて絶対しない」
自分を信じ、好きなことだけをあっけらかんとやり通す、この“出たとこ勝負”な生き方は、社会全体に閉塞感が漂ういまの時代にこそ新鮮に響き、生きることへの活力と若さの可能性を、改めて教えてくれる。
今の日本にはなくなった、あの時代の人生賛歌は、
生きづらく窒息ぎみな現代社会に吹き抜ける風となり、勇気と希望を運んでくれるだろう。
【ストーリー】
22歳で文芸誌の新人賞を獲得するもその後まったく書けなくなり、賭けマージャンばかりしてその日暮らしを送る小説家の武(斎藤工)。
ある日、知り合いのミュージシャンの島田(武藤昭平)に連れられて入ったジャズクラブで、高校の同級生・キッコ(汐見ゆかり)と再会する。ジャズピアニストとしての地位を確立するため、無邪気に男たちを振り回すキッコの存在に、どうしようもなく惹きつけられる一方で、どこか冷ややかな視線を送る武。
アメリカのニューオーリンズから来た憧れの黒人ドラマーと“定岡菊子トリオ”を結成したキッコ。ジャズクラブで演奏するも客足が伸びず、仲間にギャラを支払えなくなっていた。
雀荘で賭けマージャンをしていた武に金を借して欲しいと頼むキッコだが、武は他人に貸せる金など持っていなかった。そこでキッコの提案により、武はとある大胆な勝負に挑むことに……。
作品情報 | 『明日泣く』 |
公開情報 | 2011年11月19日(土)より渋谷ユーロスペースほか全国順次公開 |
監督 | 内藤誠 |
キャスト | 斎藤工 汐見ゆかり |
配給 | ブラウニー |
公式HP | http://www.asunaku.com |
©2011プレジュール / シネグリーオ |