ヒュー・ジャックマン「色んな議論が生まれる作品」と語る『フロントランナー』記者会見



『グレイテスト・ショーマン』で圧巻の演技力を見せつけ、観客を熱狂させたヒュー・ジャックマンが2月1日公開の主演作『フロントランナー』に先駆け来日。記者会見に登壇した。(2019年1月21日 日本記者クラブ)

圧倒的なスピード感と臨場感で、観るものをまるで自分がその中の一員であるかのように引き込む本作品は、監督を『マイレージ、マイライフ』でアカデミー監督賞と脚本賞にノミネートされた、鬼才・ジェイソン・ライトマンが務めることでも話題だ。

46歳の若さで民主党の大統領候補になった若きカリスマ政治家ゲイリー・ハート。ジョン・F・ケネディの再来と言われた彼は1988年の大統領予備選で最有力候補『フロントランナー』に一気に踊り出る。しかしたった三週間後、マイアミ・ヘラルド紙の記者が掴んだ「ある疑惑」が一斉に報道され、事態は急展開を迎えてしまう。勝利を目前に一瞬にして崩れ去る輝ける未来。その時、ハートは?家族は?選挙スタッフは?スクープを求めるジャーナリストは?そして国民はどんな決断をー?

MC 1年ぶりに来日してくださったヒュー・ジャックマンさん、是非、まずは日本の皆さんに一言ご挨拶を頂いても宜しいでしょうか。
ヒュー 私は今回『フロントランナー』という作品で来日しております。監督のジェイソン・ライトマンは皆さんもよくご存知だと思いますが、非常に素晴らしい監督です。是非この作品を皆さんに観ていただいて楽しんで頂きたい。そして、必ずや色んな議論が生まれる、そういう作品だと思います。
MC ありがとうございます。それでは、質疑応答に入らせて頂きますね。記者の皆さんから質問を頂きますので、ヒューさん、ご回答をいただけますでしょうか。

Q. この役を演じようと思った最大の決め手は何ですか?
ヒュー 二つほど理由があります。一つはジェイソン・ライトマン監督と仕事がしたかったからです。『ジュノ』や、『サンキュー・スモーキング』『マイレージ、マイライフ』が大好きで、是非とも彼と仕事が出来る機会を待っていたのです。二つめの理由は、ストーリーに引き込まれました。最有力候補として大統領になると思われていた男が政界から転落する、その三週間の間の出来事のストーリーなのですが、今まで私が演じた役柄とは全く違うと思います。ゲイリーは、非常に謎めいた知性のある、頭の切れる人物です。私とはちょっと違いますが…。そういう役柄に挑戦してみたかったこともありますね。

Q. ゲイリー・ハートを演じるにあたり、膨大なリサーチをされたかと思いますが、スキャンダルの発覚前まで、ゲイリー・ハートが国民の心を掴んだ1番の要因は何だと思いますか?
ヒュー そうですね…凄くリサーチはしましたね。彼は当時も今も理想主義者なんです。彼が若い人たちに非常に支持されていたのは、政治家として15年先を見据えていたということがあります。本当に人々に愛された人ですし、リーダーとなっていれば、より良い世界を築けた人だと思っています。

記者の質問に対し、一言一句丁寧に回答を行うヒューは、会話の間に「ありがとう」を何度も挟み、終始にこやかで微笑みを絶やさなかった。回答中も、通訳の女性のコップにお水を注いだり、スタッフへ丁寧にお礼を伝えたりと正に「神対応」の心配りを見せ、彼の紳士的な立ち居振る舞いに、会場中が和やかな雰囲気に包まれていった。

記者会見も終盤、「俳優を選んでいなかったらジャーナリストになっていたかもしれない」と告白したヒューは、「ジャーナリストを仕事にしている人々に尊敬の念を抱いています」と笑顔で語り、記者達の表情をほころばせていた。

取材 福井原さとみ

『フロントランナー』
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテイメント
2019年2月1日(金)全国ロードショー

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