笑顔と涙の『Father』初日舞台挨拶
“父親”をテーマにしたオムニバス映画『Father』初日舞台挨拶
11月2日シネマート新宿で、『Father』の初日舞台挨拶が行なわれた。父親をテーマにした30代、40代、50代の監督・脚本によるオムニバス映画。『ヴァージンロード』の市原直監督、出演の桜木梨奈、松田ジロウ、『俺の屍を越えてゆけ』の杉山嘉一監督、尾関伸嗣、水野直、黒田福美、『手を伸ばせば』の月野木隆監督、花ヵ前浩一、青柳尊哉の総勢10名による豪華な舞台挨拶となった。
『ヴァージンロード』は、桜木梨奈演じる吉本久美が結婚を決めて戸籍を取りに行ったときに自分が「養女」であると知り、何も知らずに育った娘と実の娘同然に育てていた養父との交流を描くヒューマンドラマ。
主演の桜木梨奈は、10歳の頃に父親を癌で亡くしたことを告白し、「この作品に出演したことで、役で晴れ姿を見せられました。父もきっと見てくれていると思います」と涙ぐみながら話し、観客からは温かい拍手が送られた。同作に出演の松田ジロウも10数年前に父親を亡くし、「桜木梨奈の父になるという想いだけで演じさせてもらった」と熱く語った。市原監督は「娘を嫁に出すのが父親にとっての一番の晴れ姿と思った」と、血の繋がりを持たない親子の創作を話した。
3本の作品のなかで、異色作である『俺の屍を越えてゆけ』。
出演の息子役の尾関伸嗣と父親役の水野直は、お互いにアクションシーンにこだわりを持ち、「ケガをしないように、相手にもさせないように気をつけて頑張りました!」と元気よく語って客席を盛り上げた。母親役の黒田福美は、「舞台セットは監督の実際の家を使って撮影しました。監督は作品に鮮明なイメージを持っていて、俳優も真摯に演じられた」。杉山監督は「この作品は他の作品と違って箸休め的に作った」と笑いを誘い、「正しい親子ゲンカができない時代。熱血お父さんといまどきのクールな若者が親子ゲンカをしたらどうなるのだろう」と制作するきっかけを話した。
最後を飾る『手を伸ばせば』は、父親が突然失明してしまったことをきっかけに家族のあり方を問う物語。
息子役の青柳尊哉は、「タイトなスケジュールのなかで朝から深夜まで頑張った」と撮影当時を振り返り、父親役の花ヵ前浩一は、目が見えない状態で街を歩いたことなど、役作りについて語った。月野木監督は「幸せというのは手を伸ばせば届く範囲にあるのでは」と、父親や家族を通して幸せについて考える大切さを観客に語りかけた。
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【インタビュー】それぞれの『Father』
取材/スチール撮影:南野こずえ、文:吉田遊介
『Father』
シネマート新宿にて、11/2(土)~11/15(金)公開!
11/2(土)から11/8(金) 10:30~モ-ニングショー。スクリーン2(62席)
11/9(土)から11/14(木)20:45~レイトショー。スクリーン2(62席)
最終日11/15(金)のみ 21:15~ スクリーン1(335席)
当日:一般¥1800/大高¥1500/小中シニア¥1000 ※チラシにお得な割引券が付いてます!
© ㈱アルファセレクション 配給アーク・フィルムズ
公式サイト http://www.father-movie.com/