長谷川博己、色気のある作品になった『アジア三面鏡2018:Journey』記者会見



『第31回東京国際映画祭』にて『アジア三面鏡2018:Journey』の記者会見が行われ、『碧朱』で主演を務めた長谷川博己をはじめ、松永大司監督、ナンダーミャッアウン、『海』のデグナー監督、チェン・ジン、ゴン・チェ、『第三の変数』のエドウィン監督、アグニ・プラティスタ、オカ・アンタラ、ニコラス・サプットゥラが登壇した。 (2018年10月26日 六本木アカデミーヒルズ)

アジアの気鋭監督3名が、ひとつのテーマをもとにオムニバス映画を共同制作するプロジェクト『アジア三面鏡』。シリーズ第二弾『アジア三面鏡2018: Journey』では、旅をテーマに若手監督がそれぞれの個性で感性豊かな作品を仕上げた。
様々な国のスタッフ、キャストが集結した本作では、中国、ミャンマー、日本を旅する人々を描き出している。また、全作品の共通キャストとして、インドネシアの国民的俳優ニコラス・サプットゥラが出演していることも話題だ。

『海』 中国・北京を出発して車で何処かへ向かう母娘。関係が良好ではない二人は、最近亡くなった父のこと、親戚との関係をめぐり口論となり怒りを爆発させる。一台の車に隣り合って座りながら、罵り合い目も合わさずに続けた旅の終着点は、海。小舟の上で一転して穏やかな表情を見せる母と娘がとった行動とは……。

『碧朱』 ミャンマーの首都ヤンゴン市内をゆったりと走る環状列車に乗り、外の風景を眺める日本人・鈴木。電車に乗り合わせた男に、自分が環状線の速度を倍化する仕事をしていると話したところ、なぜ速度を上げるのかと問われる。人々の生活を楽にするためと答えた鈴木だが、その答えに疑問を抱き過ごしていた。ある日鈴木はマーケットで知り合ったスースーと再会、スースーの家族との交流で再び疑問が深まっていくのだが……。

『第三の変数』 舞台は東京。スーツケースを転がし、宿泊先に向かうインドネシア人夫婦、セカールとエディ。彼らを迎えた民泊の主・ケンジを見て、セカールの元恋人ジャティにそっくりだと驚く。奇妙なケンジに戸惑いを感じる二人だが、倦怠気味の夫婦の関係を見抜かれていると知り、反発しながらもいつの間にかペースに巻き込まれていく。

『碧朱』の松永監督は、「自分が何ができるのか、色々と挑戦させていただきました。5年後10年後の松永という監督の形を作っていくと思っています。立ち上げのところから話をして、違う価値観の中で物を見ていく人たちと一緒に作るということに本当にワクワクしました」と楽しそうな表情を浮かべ、「あの時の「碧朱」が大きな転機だったんじゃないか、って思えるような作品になっていると思います」と意気込みを語った。この作品で松永監督は、第一弾で監督を勤めた行定勲監督に「エロスがある」と褒められたそうだ。

主演を演じた長谷川は、「僕は未開の地だったりとか、旅に出たりするのがすごく好きで、この後どうなるか分からないという所に飛び込むことが好きだったので、この映画のお話もお受けさせて頂いたんですけど、凄く代えがたい経験が出来たし、おもしろかったです」と生き生きと語ってくれた。

さらには共演した新人の女優、ナンダーミャッアウンについての印象を質問されると、「(ナンダーが)初めて演技する、と聞かされていたんですけど、一人の女優さんとして一緒に仕事をすることができました。行定監督に昨日、「ずっとSEXしてるようだった」と言われて「あ、そうですか」と返しましたけど。色気のある作品になっていると思います」この発言には会場が大爆笑。隣にいたナンダーミャッアウンも楽しそうに笑みを浮かべていた。

最後にナンダーミャッアウンが、撮影時に緊張したことや苦労したことなどを披露し、「監督に役の気持ちになるように指導されました。今回の映画でチームワークを学ぶことができ、最初は緊張しましたが、皆様に温かく支えられて嬉しかったです。本当にありがとうございました」と感謝の意を表し、チームワークの良さが伺える記者会見となった。

取材 福井原さとみ

『アジア三面鏡2018:Journey』
11月9日より新宿ピカデリーほかにて1週間限定公開
『第31回東京国際映画祭』10月25日~11月3日

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