目を潤ませた沢尻エリカ、6年ぶりの主演『猫は抱くもの』初日舞台挨拶
沢尻エリカが6年ぶりに主演を務める『猫は抱くもの』の初日舞台挨拶が行われ、沢尻をはじめ、吉沢亮、峯田和伸、コムアイ(水曜日のカンパネラ)、犬童一心監督が登壇した。(2018年6月23日 新宿ピカデリー)
元アイドルの沙織(沢尻)はその経歴を隠し、スーパーでレジ係として働いていた。華やかな芸能界とは程遠い田舎町に逃げてきて、いつしか投げやりな生き方をするようになった沙織。唯一心を開けるのは職場の裏の倉庫でこっそり飼っているロシアンブルーの猫・良男(吉沢)だけだった。沙織の心に寄り添ううちに良男は自分が人間だと錯覚するように。彼女を守れるたった一人の恋人なのだと思い込んでしまう。
MC 犬童監督と沢尻さんが「上海国際映画祭」に参加されていたということですが、コンペティション部門での出品おめでとうございました。相当な影響だったのではと写真を見て感じたのですが、いかがでしたか？
沢尻 上海凄かったですね。なんていうんですかね、上海の方の熱量といいますか。すごく近い距離で舞台挨拶をさせていただいて、皆さんに声をかけていただいて嬉しかったです。
犬童監督 上映した会場が1200人入るホールなんですけど満員で。チケットはソールドアウトになったんですけどその人達がすごく熱狂的でね。沢尻さんのことを熱狂的に迎えているんだと思うんだけど僕の中では「これはもしかしたらいけるんじゃないか」みたいな気持ちにさせられましたね
MC 今回の主人公は夢を諦めきれないアラサー女性ということなんですが、沢尻さん自身、主人公に共感できるところはありましたか？
沢尻 ３0代女性って、仕事だったりプライベートだったり考えることや悩むことが沢山ある時期だと思うんですね。私もすごく共感できるところが多かったです。
MC 役に入りやすかったということですか？
沢尻 そうですね、わりと自然に。自然体な感じでできたんじゃないかと思います。
MC 次に吉沢さんにお伺いしたいのですが、沢尻さん演じる主人公・沙織を猫として見守る役だったと思うのですが、沢尻さんとご一緒していかがでしたか？
吉沢 本当に素敵な女優さんだと思いました。僕がいうのもなんなんですけど。それこそ飼い主とペットっていう距離感を人間同士で演じるっていうのは、普通の恋人以上に距離感が近いんですよ。猫なんで僕からわりと近づいていくことが多いので、嫌がられたらどうしようという不安がずっと多かったんですけど、沢尻さんが受け入れてくれてくださっている感じがあって。完全に僕を見る目がペットを見ている目なんですよね。安心感があって甘えっぱなしでした。
MC 沢尻さんは吉沢さんと共演したことで印象に残っていることはありますか？
沢尻 冒頭のシーンで(吉沢が)キャットフードを食べるシーンがあるんですけど、大きめに作ってあるので１個食べるとすごくモグモグになるんですけど、食べているときに私がまさかのNGを出してしまって申し訳ないことをしてしまったと。そのクッキーが、本当にパサパサなんですね。
吉沢 口の水分が全部クッキーに取られるみたいな(笑)
犬童監督 研究して作ったんだけどね……。
数々のエピソードが飛びだし、楽しそうに笑う沢尻と共演者たちの様子には抜群のチームワークの良さが感じられ、売れない画家・ゴッホ役を演じた峯田が「本当に楽しかった」と実感のこもった感想を述べると、会場は和やかな笑いに包まれた。
舞台挨拶は佳境を迎え、サプライズとして6月24日に58歳の誕生日を迎える犬童監督へ猫の顔の誕生日ケーキが贈られ、キャストより「ハッピーバースデイトゥーユー」の歌が歌われ、会場は大盛り上がり。喜ぶ監督からはＷサプライズとして沢尻へ贈る手紙が読まれることになった。監督からの「女性が生きにくい時代に自分のやり方で立つその立ち姿に多くの女性たちが励まされることでしょう。いつまでもそうあってください。ちょっと大変だと思うけど」というエールに、感動で目を潤ませた沢尻は「頑張ります」と決意をあらわにし、温かい雰囲気の中、初日舞台挨拶は終了した。
取材 福井原さとみ
『猫は抱くもの』
(c)2018『猫は抱くもの』製作委員会
6月23日（土）新宿ピカデリー他、大ヒット公開中！