新鋭・朝倉加葉子監督が描く本格スラッシャームービー『クソすばらしいこの世界』初日舞台挨拶
ロサンゼルスの片田舎を舞台に日本人留学生グループと韓国人留学生・アジュンが殺人強盗を家業とする兄弟に襲われていく恐怖を描く本作。初日を迎えたこの日、監督・脚本を手掛けた朝倉加葉子監督と日本人グループの一人で物語に深く関係してくる女性を演じた大畠奈菜子さんが登壇し挨拶をおこなった(2013年6月8日 ポレポレ東中野)
本作はジャパニーズホラーの中でも異色な『13日の金曜日』に代表される“スラッシャームービー”となっている。朝倉監督は撮影にいたるまでの経緯を聞かれ「スカッとした映画を作りたかった。そのスカッと感を出すためにも全編ロサンゼルスで撮影しました」と語った。
『息もできない』、『マジック&ロス』出演の韓国人女優キム・コッビと『ムカデ人間』では先頭になり日本魂を声高に叫んでいた北村昭博が出演していることでも話題の本作。「キム・コッビさんは子役からキャリアをつみ、今ではインターナショナルな活動を続ける方ですし、北村さんに関しても単身アメリカで活動されている方なのでお二人ともすごくプロ意識が高い方でした」と朝倉監督もワールドワイドに活躍する二人を絶賛していた。そんな二人から大畠さん、朝倉監督そして観客に対してサプライズメッセージが披露される場面も。
出演者がワールドワイド故に劇中で使用される言語も日・米・韓と多言語な作品となっている。劇中で英語のセリフを披露する大畠さんは「撮影前から特訓しました。ネット動画を使い現地スタッフに口の動きや発音などをチェックしていただきました」と語った。その特訓の様子をみていた朝倉監督からは「現地スタッフが5~6人でパソコンを囲み、“奈菜子そうじゃないんだ”“舌の動きはこうだ”というやり取りを見ていた」とスパルタ指導が飛び交うボーダレスな撮影秘話も明かしてくれた。
【ストーリー】
日本人留学生グループに、田舎町へのキャンプに誘われた韓国人留学生のアジュン。マジメなアジュンは、英語を話せず、酒やドラッグ、セックスや遊びにばかりうつつを抜かしている日本人留学生に強い苛立ちを感じていた。時を同じくして、冷酷な殺人と強盗を生業とするホワイトトラッシュの兄弟が、斧を片手にアジュンたちが過ごすコテージへと歩みを進めていた…
『クソすばらしいこの世界』
監督・脚本:朝倉加葉子
出演:キム・コッビ、大畠奈菜子、北村昭博ほか
(C)2013 KINGRECORDS
6月8日より ポレポレ東中野にて3週間限定レイトショー
取材・文 有城裕一郎