『うらぎりひめ』


『命あるものは慎ましく、動けぬものは声を挙げよ』

私達に冒されたことの無い権力は貧しいものを増々貶(おとし)め、人を差別すること吹きこぼれる歓びの如し。敗戦から66年、ひとりの老女の魂の軌跡。俺たちはそれをテロと呼べるだろうか?

【ストーリー】
老練舞台女優にして人生論の文筆家でもあるT(86歳)は双光旭日章受賞を機会に自分の特別番組放送の為ある放送局のインタビューを受ける。同時にその中で放送されるTをモデルに製作された中編映画「うらぎりひめ」の監修を依頼される。自分の戦中の経験を綴ったエッセーをもとに作られた映画「うらぎりひめ」に嫌悪を感じたTは、預かったDVDを観ることなく鉄路に投げ捨てる。むろん映画を観なくてもTの脳裏には67年前の記憶が鮮やかによみがえる。2度目のインタビューの帰途、何時ものように自宅近くの公園で憩うT。何故かTは栄誉ある双光旭日章をポイと傍らのゴミ箱へ。
誰かを待ち続けるT。期待通りというべきか、ほぼ毎夕同時刻にそこを訪れる『誰か』がやってくる。この人物はこの1年間、日本だけでなく世界を震撼させた大事故の首謀犯罪者である。Tにとってこの半年間充分な準備をしてきたその成果が見事に結実する一瞬が訪れたーー。

たましいの孤独という細いが強靭な一本の糸で過去、現在、劇中劇の断片を貫き紡いでいく希有なるモノローグドラマ。

監督:岩名雅記。舞踏歴40年、欧州40カ国/100都市で独舞公演を展開している舞踏家。
2000年代から映画製作を始め、今回は長編第三作目となる。初監督作品『朱霊たち』、第二作『夏の家族』が共にロッテルダム国際映画祭ほかにて公式招待。『朱霊たち』は2009年の英国ポルトベロ国際映画祭で最優秀映画賞受賞。
本作の上映にあたり、寄付金を募っております。http://motion-gallery.net/projects/urahime

『うらぎりひめ』
キャスト:たうみあきこ、大澤由理、七感弥広彰、監督・脚本 岩名雅記
製作 映像・舞踏研究所 白踏館
2013年3月1日(金)~9日(土)・各回13時、16時、19時
会場:キッド・アイラック・アート・ホール(京王井の頭線 明大前下車徒歩2分)
一般・大学生・高校生・シニア:1500円、特別前売り券:1000円

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