テレンス・リー「爽快な不快感」と絶賛!『ATM』



爽快な不快感、救いの無さが良い!テレンス・リー流の言葉で映画を絶賛!
10月20日(土)より公開となる『ATM』。“自分の身は自分で守れ!”をテーマに、シークレットゲストとして、危機管理コーディーネーターの肩書きを持つテレンス・リーによる危機管理セミナー付試写会が行われた。(2012年10月4日アキバシアター)

本作は、ただ現金を引き出すためだけに立ち寄ったATMで、様々な災難に巻き込まれ、壮絶な脱出劇を強いられる男女三人が主人公のシチュエーション・スリラー。安全を守るはずの防犯カメラに、予測不能のトラップが仕組まれ、当たり前の日常の安全神話に警告を鳴らしている。

「リミット」脚本家の最新作『ATM』を、ご覧になった感想からお伺いできますでしょうか?
テレンス・リー(以下、リー):今日は、金子哲雄のお通夜があったのですが、こちらに来てしまいました(苦笑)。映画の率直な感想としては、本当に不愉快な映画ですね。後味の悪い映画でした(笑)。

危機管理コーディーネーターの肩書きを持つ、テレンス・リーさんからみて、映画の中にも登場する防犯カメラ等のシステムや安全について、どのように感じられましたか?
リー:この作品で描かれているのは、ほぼ正確ですね。まぁ、ツッコミどころはあるのですが、日米の違いの差が出ていて、「そこで警戒するの?」と日本人には思う場面もあって、それがひとつこの作品の見所ですね。

防犯カメラが重要なアイテムになるわけですが、テレンス・リーさんは相互監視社会の恐怖を警告もされていますよね。例えば、オウムの高橋容疑者を追い詰めたのは、あの防犯カメラの映像と言っても過言ではないですよね。
リー:そうですね間違いないですね。それでも警察関係者に言わせると、防犯カメラが足りないと言われています。もっと防犯カメラを増やせと。増えるとか抑止力になりますし、捕まえやすいんですよね。

日常における恐怖の話で行くと、映画のように気をつけないと行けない事はありますか?
リー:実は、私のところで働いているスタッフが、昔銀行に務めていたのですが、ATMのガラスのところに防犯カメラが仕込まれています。安全の為、並んでいるお客さんが何をしているかを確認する為に、撮影しているのですが、多くの人がカメラに向かって、髪を直したり、メイクしたりしているらしいですね。撮影しているカメラに向かって。これは怖いですよね(笑)元銀行員からの内部情報ですから(笑)。

映画評論家としての側面も持っていて映画に詳しく、また、危機管理コーディネーターでもあるテレンス・リーさんですが、今回のシチュエーションはいかがでしたか?
リー:この手の映画は身も蓋もないところが良いと思うので、この映画はオススメです!中途半端に救いがあると、かえって面白くないので、この映画の救いの無さがいいし、後味の悪さが良さになってる。

こんなシチュエーション・スリラーが見てみたい!という密室のシチュエーションはありますか?
リー:『ATM』に対抗できるとしたら、“ボットン便所”でしょうね(会場爆笑)。“ボットン便所”に、夜中一人で閉じ込められたら。その状況自体が怖いじゃないですか(笑)妖怪にも通じる、日本的な怖さがあるよね。もののけに通じる小泉八雲の世界ですよ。そんな作品あれば、せひ出演したいですね。脚本から参加しますよ(笑)
この映画観終わると、皆さんきっと「ばかだなぁ〜」と感じると思います。寅さんの恋をみている寅屋のおいちゃんみたいに、「ばかだなぁ〜」と…(笑)皆さん最後まで、お楽しみ下さい!

(囲み取材より) この映画の感想を改めて、お聞かせ下さい。
リー:“爽快な不快感!”これですね。非常に不愉快な映画でしたね。不愉快というのは褒め言葉ですが、この手の映画は、愉快であってはいけない。不愉快さ加減によって映画のクオリティーがわかると思うので、その点、この映画のクオリティーは高いし、救いの無さが良いです。人間、便利なものに慣れてしまうと、自分でどうにかしないといけない場面で、人がフリーズしてしまう。そういったところも、上手に表現している。この映画は、シチュエーションが(自身の身に起こりえないことは)無いとは言えないし、日本でも起こる可能性があるかもしれない。(先日亡くなられた金子哲雄さんと)一緒にこの映画を観たかったね。この映画の不愉快さ加減を味合わせたかったよ。

【ストーリー】安全を守るはずの防犯カメラ。そこに仕組まれた予測不能のトラップとは?
投資会社に勤める男女三人は、華やかなパーティーの後、ATMに立ち寄り、現金を下ろす。しかし、何者かによって仕掛けられた罠に巻き込まれ、閉じ込められる。ありふれた日常のありふれた行為が一変、生死をかけた脱出劇となる。凍死寸前の極寒の中、孤立したATMで残された選択は、仕組まれたゲームにのることだけだった―。

『ATM』
監督:デイヴィッド・ブルックス、キャスト:ブライアン・ジェラティ『ハート・ロッカー』、ジョシュ・ペック『さよなら、僕らの夏』『アイス・エイジ』シリーズ、アリス・イヴ『セックス・アンド・ザ・シティ2』『メン・イン・ブラック3』
2012年10月20日(土)よりシネクイントにてレイトショー公開決定!
©2011 GOLD CIRCLE DEVOLOPMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
公式サイト http://www.atm-movie.jp

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