黒木華、撫で肩が自慢?『ビブリア古書堂の事件手帖』完成披露試写会
シリーズ累計640万部突破の大ベストセラー小説を映画化した『ビブリア古書堂の事件手帖』の完成披露試写会が行われ、主演の黒木華をはじめ、野村周平、成田凌、夏帆、東出昌大、三島由紀子監督が登壇した。(2018年9月17日 TOHOシネマズ六本木ヒルズ)
鎌倉の片隅にひそやかに佇む古書店「ビブリア古書堂」過去のトラウマから本を読めなくなった五浦大輔(野村)は、ある理由によりこの店を訪れる。亡き祖母・絹子の遺品から出てきた。夏目漱石の「それから」に記された著者のサインの真偽を確かめるためだ。極度の人見知りだが、本を手にすると人が変わったように雄弁になる店主の篠川栞子(黒木)は、たちどころにそのサインの謎を解いてしまう。優れた洞察力と驚くべき推理力を持つ栞子は、この本には絹子が死ぬまで守った秘密が隠されていると指摘するのだがーー。
MC ビブリア古書堂は過去パート(絹子の過去が主軸)と現代パートの二つによって構成されている作品なんですが、皆さんに完成したこの作品を全てご覧になってのご感想と、ご自身が演じるにあたって意識したことを教えていただけますか?
黒木 野村さんとも話していたんですけど、過去パートが素敵過ぎて。純文学のようなお二方(東出と夏帆)といいますか。小説を読んでいるような感じになって……。想いとか流れが繋がったところに私たちがいるんだな、と感じながら演じました。
野村 こんなに素晴らしいお二人は見たこと無いですね。過去パートが素晴らしすぎて、あれ?実はこっちがメインなんじゃないかと思ってしまったりして。演じるにあたって意識した点は、監督が「とにかく可愛くいてくれ」と言ってたような気がするんですけど…
成田 僕、過去パートで大好きなワンシーンというかワンカットがあって。音が無くなるところ。僕はあのワンカットを見るだけで1800円払う価値があるな、と。もう、なんというか…これから観る人は楽しみにしていてください。意識して演じたことは、監督から稲垣のイメージが「ジャミロクワイ」と言われたんですね。とても分かりやすかったです。
夏帆 現代パートの皆さんは、一歩間違えればキャラクターになってしまいそうな役柄をちゃんと一人の人間としてしっかり演じてらっしゃったので、楽しく拝見させていただきました。絹子を演じるにあたってこだわった点は、嘉雄さんとの関係性をきちんと築いていくってことを大事にしていました。
東出 僕はビブリアが元々好きで読んでいたんですけど、「あ、栞子さんと大輔がいる!」と思いました。凄く嬉しかったです。夏帆さんがおっしゃったように、キャラクター性があって可愛らしい登場人物なので、 現代パートを演じるのは非常に難しいだろうなと思っていたんですが素晴らしかったです。嘉雄を演じるにあたっては、純愛に突っ走ったって感じです。持ち道具さんが小道具の細部にまでこだわって脚色してくださったので、僕が用意した事ばかりではなく、本当に助けられることが多い現場でした。
MC 黒木さんが演じられている栞子さんなんですが、本のこととなると誰にも負けないぐらい熱く語り出すという特徴がありますけれども、キャストの皆さんご自身が「これは誰にも負けない」と自慢に思うことがありましたら伺っていきたいのですが。
黒木 人に自慢できることを会得してこなかった人生なので、なんですかね…撫で肩?
野村 僕は車とか好きなんで、車ですかね。あとバイクかな。
成田 僕は一択です。汗の量。
夏帆 私は最近猫を飼いはじめたので、猫への愛だけは誰にも負けないと思います。
東出 僕は人込みの中を歩く時のスピードが早いです。
成田 東出さん歩くのめちゃくちゃ早いですよね!僕、一度東出さんと渋谷を歩いたことあるんですけど、全然追いつかないんです。
一生懸命に状況を説明する成田が、話の途中で汗だくとなってしまいキャスト一同から心配される驚きの事態に。人前に出るのが久々だったため緊張してしまったと言う。隣に立つ三島監督から「子供みたい」と額の汗を拭いてもらい、会場中から笑いを誘っていた。監督とキャスト陣の信頼関係と絆を感じられた一幕だった。
イベントも佳境を迎え、最後にMCより観客への一言を求められた三島監督は、「誰かを思う心だったり、何かを強く思う心というのはもしかしたら自分の人生の中では叶わなかったり届かなかったりすることがあるのかもしれないんですけど、もしかしたら自分が死んだ後に何か違う形で誰かに届いて、その人に何か影響を与えるということがあるかもしれません。その奇跡の瞬間をこの映画の中で見つけて帰っていただけたら幸せだと思います」と話し、和やかな雰囲気の中イベントは終了した。
取材 福井原さとみ
『ビブリア古書堂の事件手帖』
© 2018「ビブリア古書堂の事件手帖」製作委員会
11月1日(木)全国ロードショー