シネマdeサンバ!Vol.3『スキップ!映画祭に行ってきたレポ!』


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2013年7月21日、埼玉県川口市で10日間にわたって行われた『SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013』の幕が閉じた。若手クリエイターたちの瑞々しい創造力に満ち溢れた作品は、どれも質が高く、未来の映画文化の更なる発展を確信させてくれるものばかりだった。

長編部門最優秀作品賞には『チャイカ』監督: ミゲル・アンヘル・ヒメネス(2012年/スペイン、グルジア、ロシア、フランス/100分) 、短編部門最優秀作品賞は『転校生』監督: 金井 純一(2012年/日本/20 分)、が選出された。『チャイカ』には荒涼とした大地で生き抜こうとする人々の壮絶なドラマが、『転校生』には女子高生の出会いと別れが描かれている。「生き抜く」こと、「出会い別れる」こと。これは震災以降、私たち日本人が直面することとなった大きな問題である。

私がこの映画祭で印象的だったことは「人々の一体感」だ。上映作品が終わると、監督や出演者の方々が登壇し、マスコミ、一般客の人々と意見を交わす。様々な視点からの意見が飛び交うので、作品の面白さが自分の中でぐっと増し、新しい発見がどんどん生まれていった。スタッフも作品関係者も観客も一体となって、映画祭を作り上げていくことに、私は国や文化を越えて、映画から生まれる人々の絆をはっきりと感じた。

今年で10周年を迎えたSKIPシティ国際Dシネマ映画祭。映画以外にも様々なイベントが開催され、地元の子供たちが夏休み中の元気な姿でSKIPシティの敷地内を走り回っていた。この子供たちも大きくなったら、本映画祭を観に来てほしい。そして、この先何年も映画祭が続いていくことで、映画を通して生まれる人々の絆を繫いでいってほしい。

埼玉から世界に、この映画祭から生まれる人々の絆が広がることを心から祈っている。

シネマdeサンバ! ~映画の情熱届けます~ ライター 松尾 哲

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