『ギリギリの女たち』初日舞台挨拶レポート



ギリギリの三姉妹が、愛を叫ぶ—―自分をもっと愛して!
いつの時代、どんな状況でも 女はたくましく、強く、愛を与え、愛を欲する

『ギリギリの女たち』が初日を迎え、小林政広監督、渡辺真起子、中村優子、藤真美穂らが舞台あいさつに登壇した。(2012年7月28日ユーロスペース)

地元となる宮城県気仙沼市での撮影の様子を聞かれた小林監督は「ここで映画を作るのかという惨状でした。反感を買っているかなと思って悩みましたが、非日常でイベントみたいなのがあってもいいと、地元の方々に背中を押してもらいまいした。」と、撮影を振り返り、「作ってるスタッフとキャストの生き様みたいなものがむき出しに出てくる映画です。あれが僕らのあの時できたことです。観やすくしていく作業を一切しなかったのでどう思われるかわかりませんが、この映画はそういう作りがベストだなと思っています。」と作品への想いを熱く語った。

本作に出演するキッカケとなった映画『気仙沼伝説』で小林監督と出逢った渡辺は、「監督は強持てで有名だった」と苦笑いしながらも、「とても不格好な家族の物語ではありますが、こんな家族がいてもいんじゃないかなと。それでも語りかける相手がいたという、少し幸運な物語なのかもしれないです。」と、長女役さながらの想いにキャスト陣もうなずいた。

藤真は「すごい題名ですが、女性は特にスキップできちゃうような作品になっています。ぜひ、観終わった後に周りの大切な人を抱きしめてください」と、瞳を潤ませながら観客に呼びかけた。大きなお腹を抱えての登壇となった中村優子は「作品に登場する好きなセリフ“子供を産みたい”の通りになりました(笑)この作品は、土地と人との関係家族の物語かなと思っています。いろんな家族のあり方が普遍的な家族の絵につながっているのかなと思います。」と、こちらも声を震わせながら語った。

取材・編集・スチール撮影 佐藤久美/南野こずえ

ある三姉妹の物語――。
彼女たちは、精神的にも肉体的にも、ギリギリの状態。震災をきっかけに再会を果たすが、家族との絆を見失い、傷つけ合ってしまう。不器用に生きる彼女たちにとって、幸せとは? 愛とは?

【スト-リー】
2011年の夏。 震災の傷跡が残る気仙沼市唐桑町にある一軒家。
震災を機に、ダンサーの長女・高子(渡辺真起子)がニューヨークから実家へ帰ってくる。15年ぶりにわが家で彼女は、同じく故郷を離れ、東京で主婦をしている次女・伸子(中村優子)と再会。ふたりの会話はどこかぎこちなく、噛み合わない。そんな中、姉たちに取り残され、一人で家を守り続けてきた三女の里美(藤真美穂)が現れる。里見は突然戻ってきた身勝手な姉たちに対して、ため込んでいた怒りを爆発させる。バラバラになってしまった3姉妹。傷つき合いながら、徐々に互いの気持ちを吐き出し、やがて彼女たちの心 に変化が訪れる…。

『ギリギリの女たち』
キャスト:渡辺真起子、中村優子、藤真美穂
監督:小林政広
公式HP www.girigiri-women.com
2012年7月28日(土)、ユーロスペース、シネ・リーブル梅田他、全国順次公開
(C)2011 モンキータウンプロダクション/映画「ギリギリの女たち」製作委員会

 

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