4月1日は、何の日か?
新年度の初日、エイプリル・フール、親鸞の誕生会……
……いやいや、映画好きなら真っ先に「シアターカフェの開店記念日!」と答えたい。
シアターカフェ(名古屋市 中区 大須)は2017年4月1日をもって5周年を迎え、今年は曜日の並びも良く4月1日(土)・2日(日)の2日間で【シアターカフェ5周年記念大開放祭】が開催された。

“名古屋ショートフィルムの聖地”の生誕祭を祝おうと、全国から19組21作品のショートフィルムが集まり、4つのプログラムで上映された。

【Aプログラム】
『HER SHOES』(監督・脚本・撮影・編集:鳥居なつみ/2016年/4分01秒)
鳥居なつみ監督 こういう形での上映は、初めてです。使用楽曲は「Jango」という英語の歌が聴けるアプリで見つけて、歌ってる方を探しました。アメリカに住んでる方だったんですが、使わせてくれるようお願いしたんです。「I’ll be by your side」という歌詞のために、ストーリーを作りました

『ヒロさんの引っ越し』(監督:横山善太/2012年/30分)

『真夜中のサプライズ』(監督・脚本・撮影・編集:高上雄太/2016年/7分)
高上雄太監督 学生時代に何本か自主制作で映画を作っていまして、卒業制作の合間に、家族と一緒に映画を撮ることになりました。ちょっとホラーテイストになっているんですが、後半の展開と併せて楽しんでいただけたらと思います

『ERASER WARS』(監督・脚本・デザイン:AKIRA/2016年/11分)
AKIRA監督 現在中学1年生で、三重県から来ました。小学校の頃から消しゴムが好きで、良く遊んでいたので、映像化したいと思って作った作品です。映画に出てきたのは、実際に使っていた消しゴムたちです

『Dragon blood』(総監督・脚本・編集・音楽:artegg-yumi/2017年/7分58秒)
artegg-yumi監督 名古屋で活躍しているアクション団体【舞刀ユニット暁】の公演をクリエイターズ・マーケットで観て、「出てください!」とお願いして出演していただいた作品です。衣装や武器なども、全部お借りしました(笑)。女の子主演で、強い女の子を撮りたかったんです

『乱反射』(監督・脚本・撮影・編集:葉生絽/2016年/12分15秒)
葉生絽監督 この作品は、撮影3日前に雨予報が出まして、急遽雨のシナリオに直したという……かなり泣きそうになりながら撮った作品です
木村仁 映像だけで、観てくださる方が心を動かしてくれれば……今回は、色々と勉強になりました

【Bプログラム】
『あなた色の写真』(監督・脚本・撮影・編集:小松亮介/2016年/24分48秒)
小松亮介監督 この作品は……3%くらいは僕の経験で(笑)。ちょっと失恋しちゃいまして……それまで恋愛映画とか興味なかったんですけど、良くも悪くも愛というものは凄いなと思い、作った作品です。こんな経験は誰もがあると思いますし、共感していただけるようストレートに、シンプルに作ってみました

『罪から逃げる男』(監督・脚本・編集・録音・MA:板倉臣郎/2016年/22分)

『外テ物』(制作:三ツ星レストランの残飯/2016年/8分51秒)
三ツ星レストランの残飯 「極めて下品で下劣でキッチュで珍妙なハートフルハッピーアニメーション」をコンセプトに作っていまして、『外テ物』は3作品目になります。今また、新作も作っていますので観ていただけると嬉しいです

『死神』(監督・編集:木川剛志/2016年/15分)
木川剛志監督 この作品は、僕が3本目に撮った映画です。今は和歌山ですが、当時は福井に住んでまして、9年間住んだ最後の記念にお世話になった人たち一緒に撮った作品です。福井では街づくりや都市計画といったことをやっていまして、『死神』には過去の福井と現在の福井を投影するという想いを込めています

『御家騒動』(監督・脚本・撮影・編集:ヒポポタマス/BGM:野崎陽一/2016年/4分57秒)
森あゆみ監督 【ヒポポタマス】というクレイアニメーション・チームで、京都で活動しております。この作品は久々の新作でして……だいぶ迷走して、迷走して、出来た作品なんです(笑)
中峰知彦監督 言葉という目には見えない物を、形ある物にするので、クレイアニメーションでしか出来ない表現を目指しました

【Cプログラム】
『ピンぼけシティライツ』(監督・脚本:東海林毅/2016年/18分)
東海林毅監督 「星能(豊)さんと梅沢(佐季子)さんを主役で撮ってほしい」と俳優側から頼まれ、ちょうど考えていたストーリーを形にした作品です。星能さんが役作りで太った後のだらしない身体をしていたので、それを作品に活かしました(笑)

『アソビタリナイ』(監督・脚本:前田桂吾/2016年/22分)
前田桂吾監督 自主映画は、ずっと撮りたくて撮れないでいました。『アソビタリナイ』は、初めて撮った作品です。出演者が豪華なのは、色々な現場を経験してる人が助監督をしてくれたからで、木村知貴さんを紹介してくれたんです。木村さんが決まると、続々とキャストが決まりました

『竹田駅メモリーズ』(制作:浜村満果/音楽:ささかわおすし/2016年/3分50秒)
浜村満果 実在する竹田駅をモチーフに撮りたかったんです。“ぞうさん”も実際にあります。写真やビデオに記録されなかった思い出をテーマにしているんですが、人生の中で圧倒的に多いそんな記録されなかった思い出が失われる時、本能的に悲しみを覚えるのでは……そんな想いが、作る原動力になりました

『房江』(監督・脚本・編集:高山直美/2012年/15分)
高山直美監督 主人公の房江は引っ込み思案な性格ですが、たとえ抑圧されていても欲望が解き放たれたなら……そんな誰もが持つ欲深い部分を表現したくて撮った作品です。私はコメディが好きで何本か撮った映画もコメディが多いんですが、『房江』が最初の作品なので、これが原点です

『幸運販売機』(監督:山本憲人/2016年/23分)
山本憲人監督 『幸運販売機』は、元々ラジオドラマとして作った脚本を映画化したもので、出演者3人は知り合いです。よく「キャストは、実際に高校生なの?」って質問を頂くんですが……皆、22歳以上の大人なんです

【Dプログラム】
『と中経か中と半ぱ』(監督:ないとう日和/音楽:西口景子/2015年/1分38秒)
ないとう日和監督 自分が手掛けてる作品や、途中でやめてしまった作品を、無理矢理くっつけて一つの作品にならないかと作った作品です

『ブレインアニメ』(監督:ないとう日和/2016年/3分13秒)
ないとう監督 勉強とか出来ない自分なりに、「頭」を使ったアニメは作れないかと思って作った作品です。頭が割れるシーンって漫画とか映画でもトラウマになるイメージなので、何となく脳を使ってみました(笑)

『僕が決める道』(監督・脚本:若菜滋子/2016年/28分48秒)
若菜滋子監督 『僕が決める道』は映画学校を卒業して初めて撮った作品で、今まで人の言うことばかり気にして決められなかった自分に重ねて、合唱をテーマにして作りました。主役の男の子はオーディションで、課題曲を歌ってもらって、伸び代のある方を選ばせていただきました。出演していただく合唱団にオファーする時、一曲指導して欲しいとお願いして、何回かレッスンを付けていただいたんです

『海へ行くつもりじゃなかった』(監督・編集:磯部鉄平/脚本・制作:谷口慈彦/2016年/30分)
磯部鉄平監督 大阪で映画を作ってます。映画の専門学校を卒業してから7年くらいゴロゴロしてたんで、「いい加減、撮らな!」と思って撮った作品です(笑)
谷口慈彦(脚本・制作) 解りやすい映画ではないかも知れません。それぞれ事情がある男と女が偶然知り合ったことで、その1日には大きなことではないにせよ確かにドラマがあった……映像ならではの素敵な瞬間をどう見せていくか、印象付けるか、そんな映画を作りたかったんです

『ユニバーサル・グラビテーション』(監督・編集:磯部鉄平/制作:谷口慈彦/2016年/8分)
磯部監督 『海へ行くつもりじゃなかった』を撮って勢いがついたので、【48時間映画祭】(The 48 Hour Film Project)に参加して撮りました。CGシーンもあるんですが、スタッフに48時間で作れる凄い人がいたんです(笑)

2日間に亘る4プログラムの上映が終わると、【シアターカフェ5周年記念大開放祭】は交流会に傾れこんだ。制作者と観客、そしてスタッフの皆でシアターカフェの記念日を祝う恒例行事であるが、流石はショートフィルムの聖地、ここでも2作品が特別上映されたのだ。

『ぼろ』(監督:永田ナヲミ・ヨシムラエリ/2015年/8分10秒)
ヨシムラエリ監督 鳥取の、海も山もある大山(だいせん)という自然豊かな場所で、【アーティスト・イン・レジデンス】という形で秋の1ヶ月間滞在して、アニメーション友達の永田ナヲミさんと作らせていただいた作品です。町の人と交流をさせてもらいながら、話を決め、人形を作り、食を共にしながらワークショップで撮りました。主人公の声も地元で漁師をなさってる方で、話の一部も実話だそうです(笑)

『TheaterCafe Wars』(監督・撮影・編集・音楽・音声:飯塚貴士/脚本・衣装・美術・操演:シアターカフェWS参加者/協力:日本映像学会ショートフィルム研究会/2015年/7分)

そして、【Theater Cafe賞】が発表された。江尻真奈美代表(実写映画担当)、林緑子ディレクター(アニメーション担当)の協議の結果、東海林毅監督の『ピンぼけシティライツ』が栄冠を獲得した。
東海林監督 『キスナナ』(『キスナナ the final』監督:真田幹也/2013年)という作品で合成のスタッフとして参加して以来なので、3年ぶりの名古屋なんですけど……来て、本当に良かったです(笑)。名古屋、最高です(場内拍手)!

東海林監督には副賞として、シアターカフェ1日上映権が授与された。
詳細は近々発表されるはずなので、今後のリリース情報にも注目したい。

16時というまだまだ日も高い時間から行われた交流会だったが、熱く、激しく、楽しい映画談議に華を咲かす内、窓の外はすっかり宵闇が色濃くなっていた。
「来年も、また来ます!」
気が早すぎる6周年を祝う叫び声が谺する中、シアターカフェの生誕祭は閉店まで続いた。

取材・文:高橋アツシ

シアターカフェ公式サイト
http://www.theatercafe.jp

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