松田&吉高&真木らが受賞! “日本で最も早い映画賞”「第5回TAMA映画賞」授賞式レポート


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 (c)TAMA CINEMA FORUM

多摩市の複合文化施設・パルテノン多摩にて、11月23日、「TAMA CINEMA FORUM(多摩シネマフォーラム)」が開幕。初日には“日本で最も早い映画賞”
とうたわれる「第5回TAMA映画賞」の授賞式が行われ、松田龍平、吉高由里子、真木よう子ら受賞者が登壇した。

1991年に多摩市市政施行20周年記念事業として始まり、今回で23回目の開催となった同祭。今年はパルテノン多摩の2つのホールとベルブホール(永山)、ヴィータホール(関戸)の計4ヵ所を会場に展開し、11月23日~12月1日までの間、さまざまな映画の上映会や若手映像作家の作品を上映する「TAMA NEW WAVEコンペティション」などを行った。

同祭の目玉の一つは、「第5回TAMA映画賞」の授賞式。2012年10月~2013年9月に公開された作品を対象とし、観客に活力を与えた“いきのいい”作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝を込めて表彰する。

授賞式で最も注目を集めたのは、最優秀男優賞、最優秀女優賞の表彰だ。OLYMPUS DIGITAL CAMERA最優秀男優賞は、『舟を編む』で辞書編集部に勤める実直な青年を演じ、「言葉の大切さを言葉でないもので表現した」と評された松田龍平が受賞。松田は「自分が思っていることをなかなか言葉では伝えられない役でしたが、内に秘めた熱が伝わればと思って演じました」と語り、同い年である石井裕也監督について、「監督の熱量がすごかったので、負けたくなかった。」と振り返った。また、来年の抱負を、「ちゃんとしようと思います(笑)。いろいろな想いを巡らせながら楽しみたいです。」とハニカミながら語った。

続いて最優秀女優賞には、『横道世之介』に出演した吉高由里子、『さよなら渓谷』に主演した真木よう子が輝いた。

PB234168黒のミニドレスで登場した吉高は、「(『横道世之介』は)撮影中から“好かれる作品になるな”と思っていたんですが、本当に評判がいいんです(笑)」とコメント。そして『蛇にピアス』で共演した高良健吾との再共演について、「新人で先のことなんて何も分からなかった2人が、また違った形のラブストーリーで再会して映画を作れたことが感慨深かったです。」と語り、「(体作りをしていた)高良君をマネして食べていたら5キロぐらい太ってしまって…。コロコロしていて転がるんじゃないかと思いました(笑)」と、思わぬ裏話も飛び出した。また、「私にとって大事な作品になっていて、撮影が終わったあとは(女優業を)やめてもいいとさえ思った。でも、また素敵な作品に携わることができるなら、もう少し頑張ろうと思いました。」と心境を明かした。今後の抱負を聞かれると、「“ありがとうございます”だけで挨拶を終われる年齢でもないので…」と前置きし、「もう不思議ちゃんって呼ばれたくないんです!  『ハイボール、うぃー!』とかやっていても、ちゃんと台詞も覚えてるし、勉強もしてるし…。またこのような素敵な場所に立てるようなお芝居をして、観る人の想像力を駆り立てるような人になりたいんです! こういう場所でもちゃんと話せる女性になりたいんです!」と、吉高節が炸裂。そして、「次は真木よう子さんですが、彼女に憧れているので、あんな素敵な女性になりたいです!  おあとがよろしいようで…。」と一気にまくしたてた。

PB234222真木は、黒のシースルーのドレスでシックに登場。『さよなら渓谷』に主演した感想を聞かれると、「とても辛かったけど、周りのキャスト・スタッフに支えられて乗り越えられました。残酷な過去を抱えた女性の役なので演じるには覚悟がいりましたが、それ以上にやりがいがあると思い、挑戦しました。」と語った。また、今回の役について、「“好きな人を取られたくない!”というのと同じで、絶対にこの役は私がやりたいと思った。」と、女優魂が垣間見えるコメントも。そして、同作の舞台挨拶で大森立嗣監督からサプライズで手紙が読まれたことを振り返り、「私が女優を目指した15歳の頃のことも書いてあって、ずるいお手紙で…。その時は耐えたんですが、家で読み返して大号泣しました。」と明かした。同作でモスクワ映画祭審査員特別賞、『そして父になる』ではカンヌ映画祭審査員賞を受賞し、世界で高く評価されたことについて、「自信にもなったし、背中をパン!と叩かれたような気分です。とても貴重な経験をさせていただきました。」と語った真木は、「これからも挑戦することを諦めずにやっていきたい。女優として日々成長していけたらと思っています。」と締めくくった。

同授賞式では最後に『横道世之介』と『さよなら渓谷』の2作品に最優秀作品賞が贈られ、沖田修一監督、大森監督が登壇。それぞれ吉高、真木とともに喜びを分かち合い、和やかな雰囲気のまま幕を閉じた。

取材・スチール撮影:須藤妙子

<受賞者一覧>

☆最優秀作品賞:『さよなら渓谷』、『横道世之介』

☆特別賞:原恵一監督およびスタッフ・キャスト一同(『はじまりのみち』を通じて木下恵介監督のヒューマニズムと信念を真摯な姿勢で現代に甦らせたことに対して)、大根仁監督およびスタッフ・キャスト一同(若者を熱狂の渦に巻き込んだ『恋の渦』のエンタテインメント性に対して)

☆最優秀男優賞:松田龍平(『舟を編む』、『探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点』、『北のカナリアたち』)

☆最優秀女優賞:真木よう子(『さよなら渓谷』、『そして父になる』、『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』、『つやの夜』)、吉高由里子(『横道世之介』、『真夏の方程式』)

☆最優秀新進監督賞:中野量太監督(『チチを撮りに』)、白石和彌監督(『凶悪』)

☆最優秀新進男優賞:星野源(『箱入り息子の恋』、『地獄でなぜ悪い』、『聖☆おにいさん』)、池松壮亮(『横道世之介』、『上京ものがたり』)

☆最優秀新進女優賞:黒木華(『シャニダールの花』、『舟を編む』、『草原の椅子』)、刈谷友衣子(『シャニダールの花』、『中学生円山』、『鈴木先生』)

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