女神が微笑む台北映画祭-杉野希妃特集@第15回台北電影節


suginokiki
今年も6月28日から『台北電影節(Taipei Film Festival)』が開催される。
映画祭と言えば主催者の拘りを垣間見られる特集上映が楽しみの一つであるが、第15回を迎えるこの台北映画祭もまた特集に注目である。

・ピーター・チャン(陳可辛 Peter Chan・香港)特集 『捜査官X』『ウィンター・ソング』監督/『孫文の義士団』プロデューサー
・ワン・ビン(王兵 Wang Bing・中国)特集・・・『鉄西区』『無言歌』『三姉妹〜雲南の子』監督
・ピエール・エテックス(Pierre Étaix・フランス)特集・・・『Yoyo』『La Grand amour』主演・監督/ジャック・タチ作品 助監督・デザイナー歴任/フェリーニ・ブレッソン作品出演)

そんな垂涎の特集群の中に、「Filmmaker in Focus:Kiki Sugino」のプログラムタイトルを見付けた。
これは…と思い調べてみると、やはり杉野希妃さんの特集であった。

杉野希妃さんと言えば、主演・プロデュース作『おだやかな日常』が国内外どころか洋の東西を問わず映画祭を席巻し、出演作『インターミッション』で流石の存在感を放ち、第22回(2013年)日本映画プロフェッショナル大賞にて新進プロデューサー賞を受賞と、女優業にプロデューサー業に八面六臂の活躍で映画ファンの目を釘付けにして止まない才媛である。映画祭での杉野さん特集は第24回(2011年)東京国際映画祭にて組まれた「女優=プロデューサー杉野希妃~アジア・インディーズのミューズ」が記憶に新しいが、台北映画祭「Filmmaker in Focus:Kiki Sugino」も観逃せない。
上映作品は、

『審査員、希妃による希妃』(イム・テヒョン監督 2013年 ※ワールドプレミア※)・・・2012年の全州映画祭での杉野さんを追ったモキュメンタリー

『歓待1.1』(深田晃司監督 2013年 ※ワールドプレミア※) 『歓待』(2011年)ディレクターズカット版

『おだやかな日常』(内田伸輝監督 2012年) 原発・放射線被害とタブーに真正面から向き合い国内外で高い評価を獲得

『大阪のうさぎたち』(イム・テヒョン監督 2011年)3.11翌日に大阪で撮られたアドリブ感溢れる異色SF

『マジック&ロス』(リム・カーワイ監督 2010年) ヤン・イクチュン&キム・コッビ『息もできない』コンビと共演した7カ国合作

『避けられる事』(2010年)・『残香』(2013年 ※上海国際映画祭とほぼ同時ワールドプレミア※)・・・俊英エドモンド・ヨウ監督(マレーシア)の短編2作

と、ファンならずとも堪らない内容だ。

また、今回杉野希妃さんが台北映画祭の審査員を務めることにも注目したい。杉野さんが審査を行う“New Talent Award”部門は世界の新人監督のコンペティションであり、日本からも『はなればなれに』(下手大輔監督)が賞に挑む。

女優としてプロデューサーとして枠に囚われない規格外のミューズは、出会いの達人でもある。事実、杉野さんの近作は様々な映画祭で培った多彩な映画人との出会いにより産み出された作品に溢れている。最新作『ほとりの朔子』(二階堂ふみ・鶴田真由 主演)の公開が待たれる杉野希妃さんだが、第15回台北電影節ではどんな絆を結ぶのか。益々輝きを増すアジアン・ミューズのアグレッシブな眼差しは、私たち映画ファンが思うよりずっと先を見据えている。

『台北電影節』 2013年6月28日~7月20日
公式HP:http://www.taipeiff.org.tw/
杉野希妃特集上映予告編:http://www.youtube.com/watch?v=QeZbkm9i-sQ

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