アグネス・チャン、児童兵士廃止を訴える『魔女と呼ばれた少女』


第85回アカデミー賞国語映画賞にノミネートされた『魔女と呼ばれた少女』が初日を迎え、タレントで日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンが上映後にトークショーを行った。(2013年3月9日 シネマート新宿)

紛争が絶えないアフリカ・コンゴで、子供たちが兵士として戦争に身を投じる実態をもとに映画化した本作。1998年の大使就任以来、アフリカ諸国を視察し、児童兵士の悲惨な現状を何度も目にしたというアグネスは、「映像も迫力があって、主演の女優さんの自然な演技が感動的でしたが、改めて児童兵士の現状にショックを受けました」と作品の感想を語った。

また、南スーダンで自身が出会った12歳の元兵士との交流を話した際には、「抱きしめようとすると、兵士での経験からぶたれるんじゃないか、殺されるんじゃないかと怯えていていましたが、母親を探して欲しいと泣いているのを見たときに、初めてこの子は子供なんだなと実感しました。戦争をしている人に対して私たちはいい人悪い人を決められませんが、子供だけは巻き込まないでほしいです」と涙ながらに訴えた。

昨年ブータンを視察したアグネスは、4月にナイジェリアを訪問する予定だという。「児童兵士の問題は残酷ですが、30万人が20万人に、20万人が10万人になり、それが0になる日を私も夢を見ているので、ぜひ皆さんも自分なりにできることをしてほしい」と、最後に改めて児童兵士廃止への思いを伝えた。

取材・編集 佐藤久美

【ストーリー】
「私はコモナ。14歳。これから生まれるあなたに、“魔女”と呼ばれたママのすべてを話したい。死と隣り合わせの日々の中で、私は彼と出逢ったの」 平和な水辺の村から拉致され、反政府軍の兵士となったコモナは、死んだはずの人たちに導かれ、全滅必至のゲリラ戦から生還する。亡霊の見える力が勝利を招き、“魔女”と崇められるコモナだが、殺される運命を悟り、最愛の少年と逃避行の旅に出た――。

『魔女と呼ばれた少女』 R E B E L L E ( W A R W I T C H )
キャスト:ラシェル・ムワンザ、セルジュ・カニンダほか 監督・脚本:キム・グエン
© 2012 Productions KOMONA inc.
2013 年3 月9 日(土) よりシネマート新宿にて公開中!
以降、第七藝術劇場ほかにて全国順次公開!

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